はじめに:水回りトラブルの重大性と“お風呂の価値”の変化
賃貸住宅の管理において、浴室は頻繁にトラブルが発生しやすい場所のひとつです。
水・湿気・熱といった負荷が常にかかり、設備も多岐にわたるため、わずかな不具合でも修理・交換が必要なケースも少なくありません。特にカビや水漏れは、入居者からのクレームだけでなく、建物の構造部分へまで影響を及ぼす可能性がある点で、オーナーにとって非常に重要な管理対象と言えます。
近年、浴室を取り巻く状況は大きく変わりつつあります。
かつて浴室は“身体を洗い温まるための空間”と考えられていましたが、昨今は、「癒し」「美容」「メンタルケア」を兼ね備えた“自分へのご褒美時間”としての役割も重視されるようになりました。この変化の背景には、SNSでの流行や自宅時間が増えたライフスタイルの変化が大きく影響しています。
特に女性層を中心に、「1日の終わりにお風呂でしっかり整えたい」「美容ケアをゆっくりしたい」というニーズが高まり、浴室滞在時間が延び、使用するアイテムが増加しています。バスオイル、スクラブ、トリートメント、ヘアパック、アロマ、キャンドルなど、多様なケアグッズを浴室に持ち込むスタイルは今や一般的になり、浴室の利用は従来より複雑化・長時間化しています。
SNSに見る“お風呂トレンド”——浴室の価値観はどう変わったか
Instagram や TikTok、YouTube を中心に「美容ルーティーン動画」が継続的な人気を集めています。「#ナイトルーティーン」「#バスタイム」「#バスタイムルーティン」といったハッシュタグには膨大な投稿が集まり、その多くは浴室で行うボディケアやヘアケアを紹介する内容です。
さらに以下のような動きも顕著です。
- 自宅スパ化:「炭酸入浴剤」「高保湿のバスオイル」「アロマミスト」などのアイテムを使い、浴室を癒し空間にする人が増加。
- 美容ケアの複合化:ヘアパック、頭皮クレンジング、ボディスクラブなど、浴室内でゆっくり時間をかけて行うケアが増加。
- 灯りの活用:キャンドルや間接照明を使う入居者もおり、湿気や熱との相性の悪さから住宅設備に影響が出るケースも。
こうした行動が増えるにつれて、浴室は従来の想定を超える頻度・方法で使用されるようになっています。
しかしSNSのトレンドは、入居者が自宅の浴室に対して 「もっと居心地よく整えたい」「清潔に保ちたい」 という意識を高める面もあります。美容アイテムを丁寧に並べたり、バスルームを自分好みに整えたりする行動は、結果的に浴室の定期的な清掃習慣につながるケースもあります。
実際にお風呂場や水場の掃除動画も流行し始めており、SNSでの流行による良い傾向といえるでしょう。

よくある浴室トラブル TOP5
オーナーが注意すべき定番の浴室トラブルは以下の5つです。
1. カビ・黒ずみの発生
湿気が多い浴室では当然ですが、近年は浴室の使用時間が長く、さらに風呂蓋・椅子・ケアアイテムなどの置き物が増え、清掃が行き届かず深刻なカビが繁殖しやすい環境が加速しています。
2. 排水口・排水管の詰まり
大量のヘアケア製品(トリートメント・オイルなど)が排水に流れ、髪と結びついて固形化しやすく、詰まりの発生が増えています。
3. 給湯器の不調
入浴回数増加により負荷が強まり、給湯器のエラーや温度ムラが起こりやすくなっています。特に設置から10年以上の給湯器は要注意です。
4. コーキングの劣化による水漏れ
浴室の利用頻度が増えることで、コーキング(シーリング)の劣化スピードが上がり、水漏れの原因になることがあります。
5. 水栓(蛇口)の水漏れ・ハンドルの緩み
美容ケアや洗い物で頻繁に使用されるため、パッキンや内部部品が早期に摩耗しやすい傾向があります。

なぜ、浴室トラブルは起きるのか?
① 長時間利用による湿気の慢性化
長風呂をする、浴室内での美容ケア時間が伸びる、湯船に浸かる頻度が増える——
これらの行動により、浴室や脱衣所周辺の湿度が長時間高く保たれます。
湿気が逃げないことで、
- カビの成長速度が加速
- 壁紙の剥がれ
- 結露や湿気による下地材の劣化
- 換気扇の寿命短縮
といった影響が生じます。
② オイル・トリートメントの増加による排水負担
オイル系のバスアイテムは、排水管に付着して固まりやすく、髪の毛と混ざるとさらに固着し詰まりやすくなります。
詰まりの原因が入居者の利用方法の場合、費用負担で揉めるケースも珍しくありません。
③ 使用頻度増加による設備の早期劣化
浴室の蛇口・カラン・シャワー・コーキングなどは、使用頻度に比例して消耗が進みます。
特に最近は「浴室で高頻度でオイル系のバスアイテムを使用する」「頻繁に大量にお湯を流す」など、継続的に負担がかかりやすくなっています。
オーナーができる対策:時代に合わせた浴室設備管理へ
浴室の使われ方が変化した今、オーナー側も従来の管理方法を見直す必要があります。以下のポイントを押さえることで、トラブルを大幅に減らすことができます。
1. 定期点検の強化とチェックリスト活用
点検すべき項目例
- 換気扇の吸引力(フィルター詰まりも要チェック)
- 排水口・排水管の流れ具合
- コーキングの剝離・カビの有無
- 水栓・シャワーヘッドの緩み、漏水確認
- 浴室ドアのパッキン状態
- 給湯器の動作確認(10年以上の場合は交換目安を伝える)
定期点検を年1回から半年1回へ増やすだけでも、将来的な修繕費削減につながります。
2. 入居者への“浴室の正しい使い方”の案内
以下のような案内を紙・電子マニュアルで渡すと、トラブル防止に大きく寄与します。
- 入浴後30分程度の換気の徹底
- 排水口の定期清掃
- オイル系アイテムの大量使用時の注意
- 強い酸性・アルカリ性洗剤の使いすぎ防止
- 湿気をこもらせないための扉開放推奨
入居者理解を促すだけで、トラブルは大幅に減らせます。
3. 契約書・管理マニュアルへの文言追加
現代の入浴事情に合わせて、以下を盛り込むことを検討するオーナーも増えています。
- 排水詰まりが入居者起因の場合の費用負担の明確化
- オイル系アイテムの使用に関する注意喚起
- 湿気を溜めないための換気ルール
- 浴室の私的改造(LEDライト・棚の取り付け等)禁止の明記
トラブル時の責任の切り分けがスムーズになります。

トラブル発生時の対応の流れ
対応フロー
- 入居者からのヒアリング(症状・時期・使用状況)
- 管理会社または専門業者による現地確認
- 原因を“経年劣化”“使用方法”“設備起因”に分類
- 応急処置 → 必要な場合は本修理を手配
- 再発防止策を共有し、記録を残す
その後、全戸に「排水トラブル予防のお知らせ」を配布し、再発を防止

まとめ:浴室の価値が上がる今こそ、オーナーの管理力が差別化ポイントになる
浴室は今、従来の“入浴の空間”から、
美容・リラックス・セルフケアを行う価値の高い場所へと変化しています。
この変化は入居者の生活満足度を高める一方で、
設備への負荷増大・湿気増加・排水トラブルの増加
といった管理リスクを同時に高めています。
だからこそ、適切に対策をすることが大切です。
素敵な物件を維持するためにもぜひ参考にしてみてくださいね♬
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