【災害時に最も深刻な被害を受ける“水回り”を守るために】
― 不動産オーナーが押さえるべき事前対策・初動対応・復旧フロー ―
日本は世界でも有数の“自然災害の多い国”として知られています。地震、線状降水帯による豪雨、台風、高潮、そして広域停電――。こうした災害は季節に関係なく発生し、時には複合的に起きて重大な被害を及ぼします。その中でも、建物運営において最も影響が大きく復旧にも時間がかかりやすいのが「水回り設備」のトラブルです。
給水・排水・トイレ・貯水槽・ポンプ・下水設備など、これらは建物の機能を維持するための“生命線”。災害によって一度損傷すると、入居者の生活停止だけでなく、建物資産としての価値にも深刻な影響を与えます。
本コラムでは、不動産オーナー・管理者が押さえておくべき「災害前提の水回りリスク」と、「具体的な対策」「初動対応」「復旧ステップ」を整理し、さらにマンション・戸建て・ビルの種別ごとの注意点まで徹底的に解説します。
災害後に後悔しないためにも、“今できる準備”を知っておきましょう。
◆1. 災害時の水回りトラブルは3つの構造で発生する
災害に伴う水回りの問題は、大きく以下の3つに分類されます。
① 断水(給水機能が止まる)
- 地震や設備破損による水道の停止
- 広域停電による給水ポンプ停止
- 上水道設備の破損による広範囲の給水停止
特に都市部のマンションでは、加圧給水方式が多く、停電と同時に給水が止まるケースが非常に多く見られます。
② 漏水(配管や貯水設備の破損)
- 地震で配管継手が外れる
- 埋設管の破損
- 貯水槽のひび割れ
- 天井裏での漏水による階下への被害拡大
建物内部に水が回ると、二次被害として内装劣化・電気設備の腐食・カビ発生が進み、長期的な修繕費にも影響します。
③ 排水不良・逆流(豪雨・浸水・下水能力低下)
- 下水道の容量オーバー
- 側溝や排水桝の詰まり
- 地下ピットの浸水
- トイレ・浴室の逆流
特に近年は線状降水帯の発生が増えており、排水能力を超える豪雨が“毎年確実に起きる災害”となっています。
◆2. 事前対策:建物の“耐災害力”を高めるための4つのステップ
災害が起きてからでは対応は遅れます。
水回りトラブルの多くは「事前の設備評価」で防げるものばかりです。
ここでは、今すぐ取り組める耐災害対策を4つの観点で整理します。
(1)給排水設備の「耐震・耐水・劣化」評価
特に以下の項目は専門業者による点検が必須です。
- 貯水槽の耐震基準(旧基準のままの物件は要注意)
- 給水ポンプの耐震固定、架台の強度
- 埋設管素材(VP管/PE管)の老朽化
- 排水管の逆流防止弁の動作確認
- 古いゴムパッキン・継手の硬化や劣化
災害時に最も破損しやすいのは“見えないところ”にある設備です。
最低でも年1回、できれば2回の定期点検を推奨します。
(2)断水時に必要な“給水確保策”
マンション・戸建て問わず、断水に備えた水の確保は必須です。
- 受水槽+高架水槽併用で停電時も落下圧で数時間供給
- 井戸・雨水タンクの設置(生活用水に有効)
- 飲料水は「1人1日3〜5L × 人数 × 3〜7日」が推奨
- 給水車の受け入れスペースの確認
特に高層マンションでの断水は生活への影響が甚大です。
事前に入居者へ「停電すると水が止まる可能性」を伝えておくことも重要です。
(3)排水設備の豪雨・浸水対策
排水設備は雨水や下水能力が限界になると一気に機能不全になります。
- 地下ピットへの止水板・止水シート
- 排水ポンプの非常電源
- 側溝・排水桝・雨水マスの定期清掃
- 下水逆流防止弁の動作テスト
特に地下階・半地下のある建物では、止水対策は必須。
浸水が起きれば復旧に数ヶ月かかることも珍しくありません。
(4)オーナー・管理会社・業者の“BCP体制”
災害時に「誰に連絡するか」をあらかじめ決めておくことで、初動が大幅に変わります。
- 緊急連絡ルートの明確化
- 48時間以内に点検できる業者の確保
- 入居者へ配信できる事前アナウンス文の準備
- 管理会社・オーナー間で役割分担を決めておく
実際の災害時には、業者へ電話が集中するため、“いざというときの対応に関する契約をしているか”が優先対応かどうかを左右します。
◆3. 災害発生直後の初動対応フロー
災害時は「迷わず動ける準備」が重要です。
ここでは状況別に、オーナー・管理者が行うべき初動対応を整理します。
★断水が発生した場合
- 給水ポンプが動いているか(停電・故障)確認
- 受水槽・高架水槽の水位・漏水・異音のチェック
- 自治体の断水情報・復旧見込みの収集
- 入居者へ「節水」「トイレ使用方法」を周知
特にトイレは排水ができない状態で流すと逆流や詰まりの原因になります。
★漏水が起きた場合
- 元栓・系統バルブを閉じて水を止める
- 発生階・天井裏・配管位置を確認
- 漏電の危険があれば電気設備業者へ
- 上下階で被害がある場合は即説明と対応連絡
漏水は放置すると内装材や電気設備まで被害が広がるため、スピードが命です。
★排水逆流が発生した場合
- 地下ピットの水位を確認
- 排水ポンプ再起動(停電時は不可)
- 入居者へ「一時的にトイレ・浴室使用中止」
- 下水管の詰まり・破損の確認を業者へ依頼
逆流事故は広範囲に被害が出るため、入居者への周知が特に重要です。
◆4. 災害後の復旧と二次被害対策
災害後の対応で最も重要なのが「二次被害の予防」です。
水回りの被害は“その日の対処”だけでは終わりません。
(1)専門的な設備点検
復旧後は必ず以下の点検を行いましょう。
- 配管の耐圧試験(漏れの有無を確認)
- 下水管内のTVカメラ調査
- 貯水槽のヒビ・水質検査
- 給水ポンプの軸ズレ・振動チェック
災害の影響は後から表面化する場合が多く、早期点検が最重要です。
(2)二次被害の防止
- 漏水後の湿気→カビ発生
- 電気設備の腐食
- 床材・壁材の劣化
これらを放置すると、修繕費が“数倍”に膨れ上がることもあります。
除湿機・乾燥・早期交換を行うことでリスクを抑えられます。
(3)保険申請・記録の整理
- 写真を必ず時系列で保存
- 設備図面・点検記録を保管
- 火災保険(水災・風災・漏水特約)の適用確認
災害時は申請件数が増えるため、記録が整っているかどうかで保険の手続きのスムーズさが変わります。
◆5. 建物種別ごとの“個別対策ポイント”
災害時の水回りリスクは、建物の構造によって大きく異なります。
●マンション(集合住宅)
- 加圧給水方式は「停電=断水」が多い
- 高層階ほど断水影響が大きい
- 排水管は縦方向に影響が広がり、被害も広域化
- 住民トラブルが起きやすいので情報発信が特に重要
アプリ通知や掲示板の活用で“迅速に情報共有できる体制”が必須です。
●戸建賃貸
- 給排水設備が独立しているため、異常が起きても見つけやすい
- 古い配管は地震で外れやすい
- 側溝や排水桝の詰まりが即浸水につながる
- 住戸数が少ないため復旧が比較的スムーズ
豪雨対策として、排水経路の清掃は最も効果が高い予防策です。
●ビル(オフィス・店舗)
- テナント営業停止が資産価値に直結
- グリストラップ・排水ポンプなど設備が複雑
- 停電時はバックアップ電源の有無で被害が大きく変わる
- 地下階がある場合は“浸水=甚大被害”となるため止水板は必須
テナントとのBCP連携(操作手順・避難ルート・連絡網)も欠かせません。
◆6. 専門用語の簡易解説
- 受水槽:1階などに設置された貯水タンク
- 高架水槽:屋上にある水槽。停電時は自然落下で給水可能
- 逆流防止弁:排水が戻ってくるのを防ぐ装置
- TVカメラ調査:排水管内部を撮影して詰まりや破損を確認
- 耐圧試験:一定の圧力をかけて漏れを確認する試験
- ピット:地下の機械室や配管スペース
- BCP:災害時でも事業・建物運営を継続するための計画
◆7. まとめ:水回り対策は“資産防衛そのもの”
水回りの災害対応は、単なる設備管理ではありません。
建物価値・入居者満足度・テナント営業・保険対応――。
すべてに直結する“資産防衛”そのものです。
災害で水回りが使えなくなると、
- 入居者の生活停止
- テナント営業の中断
- クレーム・退去増加
- 修繕費の増大
- 建物価値の低下
といった重大な影響が連鎖的に発生します。
不動産オーナーに求められるのは、
「災害を前提にした設備管理」
「スピーディな初動対応」
「建物種別に応じた個別施策」
の3つです。
災害は避けられませんが、被害を最小限に抑えることはできます。
日頃の点検と備えが、建物と入居者を守る最大の武器です。
ぜひ本コラムを参考に、あなたの物件の“水回り耐災害力”を高めていってください。
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