MENU

CLOSE

お電話の方はこちら

03-6262-9556

受付時間 10:00~19:00 / 定休日 火・水

【借金が含まれる相続財産の対処法は?メリット・デメリットで比較解説】賃貸アパート経営・マンション経営の知識

inheritance_tax

2025.05.23
  • 相続・税金

はじめに

相続が発生した際、故人の財産を整理する過程で「借金があることが判明した」というケースは珍しくありません。相続財産には、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も含まれます。

相続人は、これらの財産をどのように扱うべきか慎重に判断する必要があります。本コラムでは、相続財産に借金がある場合の対処方法について、具体的な手順や注意点を解説し、それぞれのメリット・デメリットを比較します。

相続財産の調査

相続が発生した際に最初に行うべきことは、故人が残した財産の全容を把握することです。プラスの財産(預貯金、不動産、株式など)だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も含めて、慎重に調査を行う必要があります。借金があるかどうかを確認しないまま相続の手続きを進めてしまうと、後々予期せぬ債務を抱えることになりかねません。以下の方法で、財産の詳細を調査しましょう。

 

1-1. 通帳や郵便物の確認
故人の財産を調査する際、まず手掛かりとなるのが「通帳」と「郵便物」です。故人が利用していた銀行口座の通帳を確認し、定期的な引き落としがあったかどうかをチェックしましょう。特に、クレジットカードの利用履歴やローンの返済履歴があれば、借金がある可能性が高いため、取引履歴を詳しく確認する必要があります。

また、故人宛に届いた郵便物も貴重な情報源となります。金融機関やクレジット会社からの通知や督促状がある場合、それらを注意深く確認し、どのような債務があるのかを把握しましょう。場合によっては、未開封のままになっている重要書類が含まれている可能性もあるため、一通ずつ丁寧に目を通すことをおすすめします。

 

1-2. 不動産の登記簿謄本を取得
故人が不動産を所有していた場合は、その資産に抵当権や根抵当権が設定されていないかを調べることが重要です。不動産を売却して相続税の支払いに充てる計画を立てていたとしても、抵当権が設定されていると自由に処分できない場合があります。

登記簿謄本は、法務局で取得できます。取得する際は、対象の不動産がどこにあるのかを事前に確認しておきましょう。また、過去の登記履歴を調べることで、どの金融機関から借り入れをしていたのかが分かる場合もあります。不動産に関する負債がないかを早めに調査することで、相続後のトラブルを未然に防ぐことができます。

 

1-3. 信用情報機関への問い合わせ
故人の借入状況をより詳しく確認するには、信用情報機関に問い合わせる方法があります。日本には以下の主要な信用情報機関があり、債務者の信用情報を管理しています。

 

CIC(株式会社シー・アイ・シー):クレジットカード会社や消費者金融の貸付情報を管理

JICC(日本信用情報機構):消費者金融や信販会社の信用情報を管理

KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行系ローンやカードローンの信用情報を管理

 

これらの機関に故人の情報を照会し、どのような借金が残っているのかを調査できます。ただし、信用情報を開示するには、故人の死亡届や相続人であることを証明する書類(戸籍謄本など)が必要になりますので、事前に必要書類を準備しておきましょう。

また、信用情報機関の調査結果をもとに、債権者との交渉を進めることもできます。相続人が借金の返済義務を負うかどうかを判断するためには、借金の総額や契約内容を把握することが重要です。信用情報機関への問い合わせを早めに行うことで、手続きをスムーズに進めることができます。

借金が発覚した場合の選択肢

相続財産に借金が含まれていた場合、相続人は以下の3つの選択肢から対応を検討できます。

 

2-1. 相続放棄(すべての財産を相続しない)
相続放棄をすると、借金を含むすべての財産を相続しないことになります。これにより、借金の返済義務を免れることができます。ただし、プラスの財産も一切受け取れなくなるため、慎重な判断が必要です。

メリット:

借金の返済義務がなくなる

相続人間のトラブルを回避できる

デメリット:

プラスの財産も相続できない

一度放棄すると撤回できない

 

2-2. 単純承認(すべての財産を相続する)
単純承認を選択すると、プラスの財産とともに借金も相続することになります。借金の額がプラスの財産を上回る場合、相続人が自己資金で返済しなければならないため、注意が必要です。

メリット:

プラスの財産をすべて相続できる

手続きが不要で簡単

デメリット:

借金の返済義務を負う

借金が多い場合、相続人の負担が大きくなる

 

2-3. 限定承認(プラスの財産の範囲内で借金を相続する)
限定承認を選択すると、プラスの財産の範囲内で借金を相続することができます。例えば、プラスの財産が1000万円、借金が1500万円の場合、相続人は1000万円までの借金を返済し、残りの500万円については返済義務を負いません。

メリット:

借金の返済義務がプラスの財産の範囲内に限定される

プラスの財産を活用できる

デメリット:

相続人全員の合意が必要

手続きが複雑で専門家の助言が必要

相続放棄の手続き

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所で正式な手続きを行う必要があります。相続放棄をすることで、被相続人が所有していた財産や負債を一切引き継がず、相続人としての権利義務がなくなります。ただし、一度相続放棄をすると撤回はできませんので、慎重に判断することが重要です。

 

3-1. 相続放棄の期限
相続放棄を申請できる期間は、相続開始を知った日から3か月以内と法律で定められています。ここでいう「相続開始を知った日」とは、通常、被相続人の死亡を知った日を指します。

この3か月の期間内に、被相続人の財産を調査し、借金の有無や相続のメリット・デメリットを検討した上で、相続放棄の判断を行うことが求められます。もし3か月を過ぎてしまうと、相続放棄が認められなくなり、自動的に単純承認(すべての財産と負債を受け継ぐ状態)となってしまいます。そのため、早めに財産の調査を行い、必要に応じて専門家(弁護士や司法書士)へ相談することが推奨されます。

また、「相続開始を知った日」から3か月が経過した後でも、特別な事情がある場合には、家庭裁判所へ申し立てを行うことで、相続放棄の期間を延長できる可能性があります。ただし、この延長は必ず認められるわけではなく、正当な理由が必要です。例えば、財産調査に時間を要した場合や、債務の発覚が遅れた場合などが考えられます。

 

3-2. 必要書類
相続放棄を申し立てる際には、家庭裁判所へ以下の書類を提出する必要があります。

① 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本 被相続人(亡くなった方)の死亡の事実を証明するために、戸籍謄本を取得します。戸籍謄本には、死亡した日や家族関係が記載されているため、相続関係を証明する重要な書類となります。取得方法としては、被相続人の本籍地がある市区町村役場に申請することが必要です。

② 相続人の戸籍謄本 相続人自身の戸籍謄本も提出する必要があります。これは、申請者が相続人であることを証明するために必要となります。特に、複数の相続人がいる場合は、それぞれの関係性を明確にするため、家庭裁判所へ正確な情報を提供することが求められます。

③ 相続放棄申述書 相続放棄の申請には、相続放棄申述書の提出が必要です。この申述書は、家庭裁判所の書式に沿った形で作成する必要があります。申述書には、以下の内容が含まれます。

・申請者の氏名、住所

・被相続人の氏名、死亡日

・相続放棄を希望する旨

・相続開始を知った日

・申請の理由(一般的には「相続財産に債務が多いため」など)

申述書は、自筆で記入する場合もありますが、裁判所の指定書式を使用することが望ましいです。家庭裁判所の公式ホームページや窓口で、申述書のフォーマットを入手することができます。

④ 収入印紙および郵送用の封筒 相続放棄の申し立てには、収入印紙(通常800円程度)と、裁判所からの通知を受け取るための返信用封筒が必要です。封筒には相続人の住所を記載し、切手を貼って提出します。

 

【相続税対策は事前準備が勝負!】アパート経営・マンション経営 ※こちらの記事も読まれています!

限定承認の手続き

相続財産に借金が含まれていた場合、相続人はそのまま負債を引き継ぐか、相続放棄するかを選択する必要があります。しかし、借金の額が不明だったり、財産の中に価値ある資産が含まれている場合、「限定承認」という選択肢が有効となります。

限定承認とは、相続した財産の範囲内でのみ負債を返済する制度です。つまり、プラスの財産を超える借金を負わずに済むため、相続人にとってリスクを抑えながら財産を受け継ぐことができる方法と言えます。

限定承認を選択するためには、相続人全員の合意が必要になります。つまり、一人の相続人が限定承認を希望しても、他の相続人が単純承認や相続放棄を選ぶ場合は、限定承認が成立しません。このため、相続人間で事前に十分な話し合いを行い、全員が納得した上で進めることが重要です。

 

4-1. 限定承認の期限
限定承認の申請は相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で行う必要があります。この「3か月」という期限は相続放棄と同じですが、限定承認の場合は財産の整理や手続きが複雑になるため、早めに準備を進めることが望ましいです。

 

4-2. 必要書類
限定承認の申請には、以下の書類が必要です。

・被相続人の財産目録

・相続人全員の同意書

・限定承認申述書

借金の消滅時効を確認

借金には消滅時効という制度が適用される場合があります。これは、一定の期間が経過すると債権者が借金を請求できなくなる法律上の制度です。つまり、適切な手続きを踏むことで、相続した借金を法的に免除される可能性があるのです。

しかし、消滅時効は自動的に成立するものではなく、「時効の援用」と呼ばれる手続きが必要になります。債権者からの請求を受けた際に適切な対応をしなければ、時効が成立していたとしても、返済義務が生じる可能性があるため、慎重な対応が求められます。以下では、消滅時効の基本的な仕組みや適用条件について詳しく説明します。

 

5-1. 消滅時効とは?
消滅時効とは、一定期間が経過すると債権が消滅し、返済の義務がなくなる制度のことを指します。この制度は、「債権者が一定期間借金の返済を請求しない場合に、債務者(相続人)が支払いを免除できる」仕組みとして認められています。

 

日本の民法においては、次のような時効期間が定められています。

 

消滅時効の期間
・銀行や消費者金融からの借金 → 原則5年(商法に基づく商事債権の場合)

・個人間の貸し借り → 原則10年(一般的な民事債権の場合)

つまり、借金の種類や債権者の立場によって、時効の成立期間は異なります。銀行や消費者金融などの法人からの借入金は5年で時効となるケースが多く、一方、個人間の金銭貸借の場合は10年で時効が成立することが一般的です。

 

5-2.時効の成立条件
消滅時効を適用するためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

① 一定の期間、返済をしていないこと
時効のカウントは、最後に返済をした日からスタートします。そのため、「最後に借金を返済してから5年以上経過しているか」を確認することが重要です。

② 債権者が督促していないこと
時効が成立するには、債権者が一定期間返済を請求していないことが必要です。もし債権者が裁判を起こしたり、借金返済を督促する通知を送った場合、その時点で時効のカウントがリセットされてしまいます。

また、借金の返済を一部でも行ったり、口頭で「今後支払う予定です」と伝えた場合も、時効のカウントはリセットされるため注意が必要です。

 

5-3.時効の援用とは?
消滅時効が成立していても、それだけでは借金は免除されません。相続人は「時効の援用」を行う必要があります。

・時効の援用とは?
「時効の援用」とは、法律に基づいて消滅時効を適用することを債権者へ正式に通知する手続きです。簡単に言うと、「借金の時効が成立しているので、もう支払いません」と伝える行為になります。

この手続きを怠ると、債権者は引き続き借金の返済を請求できるため、適切な対応を取ることが重要です。

・時効の援用の方法
時効の援用を行うには、内容証明郵便を使って債権者へ通知するのが一般的です。

 

【時効の援用の流れ】

時効が成立しているかを確認(返済履歴や督促の有無を調査)

内容証明郵便を作成(弁護士や司法書士に相談するのが望ましい)

債権者へ送付し、時効の援用を通知

債権者が返済請求を停止(時効が認められた場合)

内容証明郵便とは、「いつ、誰に、どんな内容を送ったか」を証明することができる郵便のことで、後々のトラブルを防ぐためにも利用することが推奨されます。

 

5-4.消滅時効を利用する際の注意点
消滅時効を利用する際には、いくつかの注意点があります。

・債権者が時効を認めないケース
時効の援用を行っても、債権者が返済を要求し続けるケースがあります。特に消費者金融や銀行などの大手債権者は、裁判を起こして時効の成立を阻止しようとする場合があります。このようなケースでは、弁護士や司法書士に相談し、適切な対応を取ることが必要です。

・一部の債務には時効が適用されない場合もある
借金の種類によっては、消滅時効が適用されないものもあります。例えば、税金や養育費の未払いなどは、時効の適用が難しく、特別な対応が必要です。

・相続人が時効を知らずに借金を認めてしまうリスク
もし相続人が時効の成立を知らずに、債権者へ返済の約束をしてしまうと、時効のカウントがリセットされてしまうため注意が必要です。債権者からの通知を受けた際には、慌てて返済を約束するのではなく、まずは時効の適用が可能かどうかを調査しましょう。

まとめ

相続財産に借金が含まれていた場合、相続人は慎重に対応する必要があります。相続放棄、単純承認、限定承認のいずれかを選択し、適切な手続きを進めることが重要です。また、借金の消滅時効を確認し、必要に応じて専門家に相談することで、最適な解決策を見つけることができます。相続は人生の大きな節目の一つです。冷静に状況を整理し、最善の選択をすることが、相続人にとっての安心につながるでしょう。

 

 

★★★当社の特徴★★★

弊社は、業界の常識を覆す【月額管理料無料】というサービスで、オーナー様の利回り向上を実現する不動産管理会社です。空室が長引いて困っている・・・月々のランニングコストを抑えたい…現状の管理会社に不満がある…などなど、様々なお悩みを当社が解決いたします!

 

家賃査定や募集業務はもちろん、入居中のクレーム対応・更新業務・原状回復工事なども、全て無料で当社にお任せいただけます。些細なことでも構いませんので、ご不明な点やご質問などございましたら、下記ご連絡先まで、お気軽にお問い合わせください!

 

【お電話でのお問い合わせはこちら】
03-6262-9556

【ホームページからのお問い合わせはこちら】
管理のご相談等、その他お問い合わせもこちらです♪

【公式ラインからのお問い合わせはこちら】
お友達登録後、ラインでお問い合わせ可能です♪

SERVICE

賃貸管理サービスについて

RECOMMENDおすすめ記事