賃貸経営で中古アパートを購入するメリットと注意点|新築とどちらが有利?
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- 賃貸経営得情報
東京で賃貸管理業をおこなう(株)アブレイズパートナーズです。
賃貸経営オーナー様の中には、中古アパートの購入を検討している人も多いのではないでしょうか。
安定した賃貸経営にあたっては、中古物件アパートの特性を把握・理解した上で、購入を検討することが重要です。
そこで、賃貸経営における中古アパート購入の
■4つのメリット
■6つの注意点
をご紹介。
「中古アパートの購入を検討しているが、注意すべきことは?」
「中古アパート購入時の税金はどうなる?」
「中古アパートの購入と、新築アパートの建築、どちらが有利なのか?」
と思っているオーナー様は、ぜひ参考にしてください。
中古アパートを購入する4つのメリット
中古アパート購入には、次の4つのメリットがあります。
1.初期費用が安い
2.利回りが高い
3.すぐに家賃収入が得られる
4.入居率や空室状況などを事前に確認できる
1.初期費用が安い
建物の資産価値は、築年数が経過するごとに下落します。
中古アパート購入は、同レベルの新築アパートに比べると
・購入価格が安い
・建物にかかる不動産取得税や消費税が安い
など、購入にかかる初期費用を安く抑えられます。
2.利回りが高い
賃貸物件の表面利回りは、「年間収入÷物件購入価格」で計算されます。
物件価格が安くなるほど、利回りは高くなります。
中古アパートは新築アパートと比べて物件価格が安いため、高利回りでの運用が可能です。
3.入居率や空室状況などが事前に確認できる
中古アパートは、購入前に入居率や空室状況が確認できます。
物件の人気度・収益性を事前に把握できるのは、中古アパート購入の大きなメリットです。
4.すぐに家賃収入が得られる
すでに入居者がいる中古アパートをそのまま購入した場合、現在の入居者を引き継ぐことになります。
賃貸借契約が継続されたまま、アパートのオーナーだけが入れ替わるため、オーナーチェンジ物件と言われます。
新築アパートで家賃収入を得るには、まず必要なのが入居者の募集。
しかしオーナーチェンジ物件であれば、購入してすぐに家賃収入を得ることが可能です。
中古アパートを購入する6つの注意点
ここからは、賃貸経営にあたって中古アパートを購入する際の6つの注意点について解説します。
1.維持管理コストが高い
2.間取りや設備が古い
3.融資を受けにくい
4.トラブル・事故歴などの瑕疵がある可能性
5.家賃額などの契約条件変更がしづらい
6.不動産取得税・減価償却費など、税金の計算方法が異なる
1.維持管理コストが高い
中古アパートは、築年数に応じた老朽化が進んでいます。
そのため、大規模修繕や改築などの維持管理コストが高くなる可能性があります。
賃貸アパートの大規模修繕はいつ何をすれば良い?費用相場も解説
また、昭和56年(1981年)以前に建築された物件は、耐震強度が不足している可能性があるため、耐震補強工事を行う必要もあるんです。
耐震診断や耐震化工事の費用については、国の補助金を活用できます。
昭和56年(1981年)以前の古い中古アパートを購入する際は、注意しましょう。
参考:国土交通省「住宅・建築物の耐震化に関する支援制度の一覧」令和4年度
2.間取りや設備が古い
築年数の古い物件は、間取りや設備が古くなっている可能性があります。
入居者募集の際には
・リフォームやリノベーション
・相場より家賃を値下げする
といった対策が必要になることがあります。
満室御礼の賃貸リフォーム好事例3選!費用・期間・業者選びのポイントは?
3.融資を受けにくい
築年数が法定耐用年数を超えた中古アパートは、金融機関から
・担保価値がないと判断される
・家賃収入が、借入金の返済原資とみなされない
といったデメリットがあり、融資を受けにくい可能性があります。
【住宅用建物の法定耐用年数】
さらに、中古アパートへの融資はリスクが高いとみなされ、高い金利を求められる場合もあります。
中古アパートを購入する場合は、金融機関からの融資条件が厳しくなるため、自己資金を多めに用意する必要があります。
4. トラブル・事故歴などの瑕疵がある可能性
中古アパートは、相場より割安だと思って購入したら
・近隣住民とトラブルを抱えていた
・事故物件だった
などの瑕疵(かし)がある場合も。
持ち主が売り急いでいたり、相場より割安で販売されている中古アパートは、購入前に瑕疵がないか慎重に検討することが重要です。
賃貸アパートが事故物件になったらどうする?告知義務から損害賠償・保険まで徹底解説
5.家賃額などの契約条件変更がしづらい
入居者がすでにいる中古アパート(オーナーチェンジ物件)を購入した場合、
・家賃額や支払方法
・原状回復に関する申し合わせ
などの、契約条件の変更が難しいことに注意が必要です。
6.不動産取得税や減価償却費など、税金の計算方法が異なる
中古アパートは、新築アパートの購入時とは税金の計算方法が異なる部分があります。
中古アパート購入時の「不動産取得税」
新築アパートを購入した際は、床面積が40㎡以上240㎡以下の所定の家屋については、1戸あたり1,200万円の控除(認定長期優良住宅なら1,300万円の控除)が受けられます。
土地についても、所定の厳格措置があります。
しかし中古アパートの購入時は、こうした控除や敷地の減額措置は適用されません。
中古アパート購入時の「減価償却費」
一般的な住宅用建物の、1年間の減価償却費は、「取得価額 ×所定の償却率 」で求められます。
上記計算式で求めた減価償却費は、耐用年数の間、ずっと経費計上できます。
【住宅用建物の耐用年数と償却率(定額法)】
しかし中古アパートを購入した場合は、耐用年数は下記の計算式で求めます。
新築時の耐用年数 ー 経過年数 + 経過年数 × 0.2
すでに耐用年数を経過している中古アパートの場合は、耐用年数は下記の計算式で求めます。
新築時の耐用年数 × 0.2
耐用年数の計算方法が異なることで、中古・新築アパート購入のどちらが節税効果が高いかは、一概に判断できません。
たとえば築20年超えで、耐用年数が切れた「木造モルタル造」の中古アパートを購入した場合。
減価償却費を求める際の耐用年数は、わずか4年となるため、取得価額によっては年間の経費計上額が大きくなる可能性があります。
(例1)木造モルタル造の新築アパートを2000万円で購入した場合
耐用年数20年で償却
→1年間の減価償却費の経費計上額:100万円
(例2)築21年の木造モルタル造の中古アパートを800万円で購入した場合
新築時の耐用年数20年×0.2=4年で償却
→1年間の減価償却費の経費計上額:200万円
アパート経営にかかる8種類の税金| 節税対策のポイントは?
中古アパートを購入すると消費税はかかる?
中古アパートの購入時に課税される消費税の有無は、売主が
・個人
・法人
によって違います。
中古アパートの売主が個人の場合は、消費税がかかりませんが、法人の場合はかかります。
中古アパートの購入時には、「取引態様」を必ず確認しましょう。
取引態様が 売主 となっている場合は、法人が売主のため消費税がかかります。
取引態様が、
・代理
・媒介
・仲介
となっている場合は、個人が売主のため消費税がかからないことが多いです。
土地の売買には消費税がかからない
土地の売買には、売主が
・個人
・法人
などを問わず、消費税がかかりません。
中古アパートを購入する際には、土地が含まれていることもあります。
中古アパートの購入時に、土地が含まれている場合は、建物と土地の価格を分けて消費税を計算します。
中古アパートを購入して賃貸経営を始めるための諸費用
中古アパートを購入すれば、賃貸経営がスムーズに行えるわけではありません。
健全な賃貸経営を行うためにも、必要になる諸費用をご説明します。
物件購入費用
中古アパートの購入費用は、余裕をもって準備しましょう。
中古アパートは、金融機関から担保価値がないなどの理由から、融資を受けにくい可能性があります。
大規模改修や改築の修繕費用
中古アパートは、築年数に応じて老朽化が進んでいるため、計画的に修繕費用を準備する必要があります。
中古アパートの修繕計画は、長期的な目線も必要になります。
中古アパートを購入する段階で、計画的に修繕費用も準備しなければなりません。
賃貸アパートの大規模修繕はいつ何をすれば良い?費用相場も解説
火災・地震保険料
中古アパートは、決して安い買い物ではありません。
近隣からの飛び火などで、せっかくの資産が全焼ということもあり得る話です。
火災保険に加入しておけば、火災のほかにも
・落雷
・風災
・雪災
・水災
などに対応している場合もあります。
日本は世界的に見ても地震が多く、「地震大国」とも呼ばれています。
地震は予測できないため、いざというときのために保険に加入しておきましょう。
災害は甚大な被害をもたらします。
万が一に備えて、保険に加入することをおすすめします。
また、地震が原因で起きた火災には、火災保険での補償は受けられません。
地震が原因での災害は、地震保険で補償されます。
税金
中古アパートを購入して賃貸経営を始めると、税金を徴収されます。
税金には、
・都市計画税
・固定資産税
・所得税
・住民税
・事業税
などがあり、算定方法もそれぞれ違います。
税金を滞納すると、督促や財産を差し押さえられることもあります。
せっかく購入した中古アパートが差し押さえられないためにも、納税資金は準備しておきましょう。
アパート経営にかかる8種類の税金| 節税対策のポイントは?
新築アパートと中古アパート購入、賃貸経営に有利なのはどちら?
新築アパートと中古アパート購入、どちらが賃貸経営に有利かは、
・立地条件
・取得価額
・築年数
・用意可能な自己資金の額
・必要な借入金の額
などによって異なります。
「初期費用を抑えたい」
「利回りが高く、事前に収益性を把握できるリスクの低い賃貸経営がしたい」
「すぐに家賃収入を得たい」
という人には、中古アパート購入による賃貸経営のメリットが大きいといえるでしょう。
まとめ
中古アパート購入は、
・初期費用が安い
・事前に収益性がある程度把握できる
といったメリットがある一方で、
・維持管理
・リフォーム
・耐震工事
などに必要な諸費用は、高くつく傾向にあります。
中古ということで融資が受けにくい可能性もあるため、自己資金が多めに準備しましょう。
また瑕疵物件や、すでにいる入居者との関係性にも注意が必要です。
さらに、中古アパート購入時は、不動産取得税・減価償却費などの計算方法も異なるので注意しましょう。
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