満室御礼の賃貸リフォーム好事例3選!費用・期間・業者選びのポイントは?
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- 賃貸経営得情報
賃貸経営の空室対策に有効な、リフォームやリノベーション。
退去者が出るたびに丁寧に原状回復をしても、やはり設備は経年劣化します。
たとえば風呂・トイレ・キッチンなどの水回りは、約10年が交換の目安。
経営する賃貸物件が築15~20年前後の場合は、リフォームやリノベーションを検討する時期です。
しかし、リフォームで気になるのがやはり費用。
またリフォーム中は空室となり家賃収入が途絶えるため、かかる期間も気になります。
高い費用をかけるため、依頼するリフォーム業者選びも重要です。
そこで、
■賃貸物件のリフォームにかかる費用と期間
■賃貸リフォームで使える補助金制度
■賃貸リフォームにおすすめのローン
■賃貸リフォームの経費(減価償却費)計上の方法
などを解説。
また、
■空室対策におすすめのリフォーム箇所
■リフォーム業者選びのポイント
もご紹介します。
また
■賃貸物件のリフォーム好事例3選
■リフォームは入居者任せ!トレンドの「借主負担型DIY賃貸借」
についてもご紹介します。
賃貸リフォームにかかる費用・期間・お得な補助金制度から業者選び、好事例まで。
経営する賃貸アパートをリフォームして、入居率や家賃収入アップを検討しているオーナー様は、ぜひ参考にしてください。
賃貸アパートのリフォームにかかる費用と期間
賃貸アパートのリフォームにかかる費用と期間の目安は、下記の通り。
なお、ここでは40~60㎡ほどのワンルーム賃貸アパートのリフォームを想定しています。
【リフォーム】 | 【費用】 | 【期間】 |
キッチン交換 | 30~50万円 | 1日 |
トイレ交換 | 10~30万円 | 1日 |
ユニットバス交換 | 40~70万円 | 2~3日 |
クロス貼り替え | 1,000円/㎡ | 2~3日 |
フローリング貼り替え | 3~5万円/畳 | 1週間 |
押入をクローゼットに変更 | 10~30万円 | 1日 |
和室を洋室に変更 | 50~100万円 | 2~3日 |
間取り変更 (2DK→1LDKなど) | 100~200万円 | 1ヶ月 |
外壁塗装 | 300~500万円 | 1週間 |
もちろんリフォーム費用と期間は、部屋の広さや設備グレードによって大きく異なります。
一般的には、賃貸アパートのリフォームには1部屋辺り50~100万円の費用と、全体的に1ヶ月弱の期間をかけるオーナー様が多い印象です。
賃貸アパートのリフォーム費用の適正金額は?
賃貸アパートのリフォームは、家賃値上げによって回収できる範囲で予算を組むのが適正です。
例えばリフォームによって家賃を1万円値上げして、3年間で回収したい場合。
1万円×12か月×3年=36万円 → リフォーム費用は36万円の範囲内でおさめるのが賢明です。
予算36万円であれば、部屋全体のクロス+フローリング貼り替えか、キッチンなど設備1ヶ所の交換がリフォームの目安です。
逆にリフォームに予算100万円をかけたい場合は、回収したい年月によって家賃の値上げ額を決める必要があります。
3年で回収したいなら、家賃は2万7,000円程。
5年で回収したいなら、家賃は1万7,000円程値上げする必要があります。
リフォームによって、どれだけの家賃値上げ額が見込めて、何年で回収できるか。
賃貸リフォームは費用のかかる空室対策のため、費用対効果を十分に検討して行うのがおすすめです。
賃貸物件のリフォーム費用で使える補助金
賃貸アパートのリフォーム費用には、補助金が出る場合があります。
リフォーム補助金にはいくつか種類がありますが、ポイントとなるのは
・耐震
・省エネ
・高齢者や子育て世帯対応
のリフォームです。
■長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅の長寿命化・省エネ化・子育て世代向けの改修支援などを目的とした、国土交通省のリフォーム補助金。
建物の劣化対策・耐震性・省エネルギー対策・高齢者対策などを、一定の基準まで向上させる工事が対象。
たとえば
・3世代同居のための設備増設
・子供を見守るための対面キッチン設置
・テレワーク環境整備の防音工事
などのリフォームも補助金対象になる。
補助率はリフォーム費用等の3分の1で、限度額は100~250万円/戸。
■高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
■次世代省エネ建材支援事業
既存住宅の省エネ化を目的とした、国土交通省のリフォーム補助金。
15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓)や、断熱パネル・調湿材などの省エネ建材を使うリフォームが対象。
断熱リフォームの補助率はリフォーム費用等の3分の1で、集合住宅の場合の限度額は15万円/戸。
省エネリフォームの補助率はリフォーム費用等の2分の1で、集合住宅の場合の限度額は125万円/戸。
■ 住宅確保要配慮者 専用賃貸住宅 改修事業
高齢者・障害者・低所得者・子育て世帯など、住宅確保要配慮者の専用住宅(住宅セーフティネット制度)に登録された賃貸住宅の、改修工事費用に対する補助金。
・バリアフリー改修
・耐震改修
・間取り改修
・子育て世帯対応の改修
などが補助金対象の工事。
補助率は リフォーム費用等の3分の1で、限度額は100万円/戸。
どのリフォーム工事が補助金対象となるのか、補助金額はいくらになるのか、補助金申請の方法などは大変複雑です。
賃貸リフォームの補助金申請については、リフォーム業者に相談しましょう。
賃貸物件のリフォームで使えるローン
不動産投資物件のリフォームやリノベーションには、賃貸オーナー向けリフォームローンが利用できます。
物件価値の向上や空室対策としてリフォームが良いのはわかっているけれど、資金不足が気になる…
というオーナー様も多いと思います。
賃貸物件のリフォームは、安くても数十万円。
水回りや間取りまで手を加えたフルリノベーションとなれば数百万円、場合によっては1,000万円近い資金が必要になることも。
リフォーム資金不足を補うには、賃貸オーナー向けのリフォームローンを利用するのがおすすめです。
賃貸オーナー向けと住宅用リフォームローンとの違い
リフォームローンには、
・賃貸オーナー向け(投資物件用)
・住宅用
があります。
物件のリフォーム・リノベーションに利用できるのは、投資物件用ローンです。
投資物件用ローンは、一般的な住宅用ローンと比べて、
・申し込みの条件や審査が厳しめ
・金利が高め
に設定されています。
賃貸オーナー向けリフォームローンの特徴
投資物件用のリフォームローンは、銀行・信用金庫・信販会社などの金融機関や、住宅金融支援機構などの公的機関から様々な商品が提供されています。
一般的に、「賃貸オーナー向け」「アパート向け」のリフォームローンといった商品名で提供されていることが多いです。
賃貸オーナー向けリフォームローンの主な特徴は、以下の通り。
・金利相場:約2~4%/年(固定、変動など商品による)
・借入期間:最長約15年
・借入額:最大約1,000万円
・担保:約1,000万円までなら無担保OK
・借入条件:家主としての業歴が3年以上、かつ安定的な家賃収入が見込める等
賃貸オーナー向けリフォームローンの借入額は、最大1,000万円ほど。
ただし1,000万円までであれば、無担保OKとする商品がほとんどです。
また借入条件として、賃貸経営の業歴が複数年あることや、安定した家賃収入があることが求められます。
省エネ・バリアフリー・耐震リフォーム等は低金利ローンが利用可能
オーナー向け賃貸リフォームローンの中には、公的機関である住宅金融支援機構の「賃貸住宅リフォーム融資」があります。
住宅金融支援機構のリフォーム融資は、金利が約1〜2%/年(固定金利、約15年)と、民間金融機関のリフォームローンに比べて金利相場がかなり低め。
ただし住宅金融支援機構のリフォーム融資を利用できるのは、
・一定性能等級以上の断熱材を使用した省エネ住宅へのリフォーム
・バリアフリー住宅へのリフォーム
・耐震リフォーム
・サービス付き高齢者向け住宅へのリフォーム
など、指定のリフォームに限ります。
経営する賃貸住宅のリフォーム工事が、省エネ・バリアフリー・耐震・高齢者向けなど指定条件を満たす場合は、住宅金融支援機構の「賃貸住宅リフォーム融資」を利用するのがおすすめです。
賃貸物件のリフォーム費用の経費計上方法
賃貸アパートのリフォームにかかった費用は、経費として計上できます。
しかしリフォームの規模や内容によって、
・リフォーム費用を全額経費として一括計上できる「修繕費」
・リフォーム費用を耐用年数で割る「減価償却費」
のどちらに計上するかが変わります。
■「修繕費」にあたるリフォームの条件
・リフォーム費用が20万円未満
・3年以内の周期でおこなわれる修理や改良、原状回復
■「減価償却費」にあたるリフォームの条件
・建物の資産価値や耐久性を向上させるためのリフォーム(資本的支出)
短期的な視点で見ると、リフォームをした年に一括で全額経費計上できる「修繕費」の方が、その年の節税効果は高くなります。
資金繰りに余裕がない場合は、少額のリフォームをポイント的に行うのがおすすめです。
一度にかかるリフォーム支出を抑えるだけでなく、経費計上も「修繕費」として一括経費計上して節税効果を得ることができます。
【関連記事】初めてでもわかるアパート経営の確定申告!必要書類や経費の落とし方は?
賃貸物件の空室対策におすすめのリフォーム箇所は?
賃貸アパートのリフォームをするなら、空室対策に有効な部分を優先したいですよね。
賃貸アパートのリフォームの中でも、特に
・キッチン、トイレ、風呂などの水回り交換
・クロスとフローリングの貼り替え
・和室を洋室に変更
は部屋が見違えるように新しくなります。
入居者人気が高まり、空室が埋まりやすくなるおすすめの賃貸リフォームです。
下の写真は、弊社取扱物件のリフォーム事例です。
クロスとフローリング張り替えはもちろん。
キッチンは、部屋が広く見えて人気の吊り戸棚なしのタイプに交換しました。
キッチンは吊り戸棚をなくした分、リビング側にカウンター下に備え付け収納をつくりました。
また天井・キッチン壁をそれぞれアクセントクロスにすることによって、高級感を演出しています。
賃貸物件のリフォームは自分でDIYできる?
最近は、オーナー様自ら賃貸物件をDIYするリフォームも流行しています。
古いキッチンにリメイクシートを貼ったり、アクセントクロスを貼ったり、床にクッションフロアを敷いたり…
古い賃貸物件でも、一手間加えるだけで見違えるように綺麗な見た目になることもあり、入居者にも喜ばれます。
うまくいけばリフォーム業者に依頼するより安く済むので、非常にコスパの良い空室対策になります。
▼おすすめの独立洗面台リフォームDIY事例をご紹介
【関連記事】賃貸アパートに独立洗面台を後付け・交換する方法と費用は?DIY事例も
しかし失敗すれば見栄えが悪くなり、逆に物件価値を大幅に下げてしまうリスクも。
またDIYはコストが安いといっても、材料費や工具を揃えるにはそれなりに費用がかかります。
失敗してリフォーム業者に修復依頼が必要になれば、余分なコストもかかります。
DIYに自信がない場合は無理をせず、リフォーム業者に頼む方が安心です。
賃貸物件のリフォーム業者選びのポイント
賃貸アパートのリフォームの費用対効果を左右するのが、リフォーム業者選びです。
リフォームを依頼できる業者には、
・リフォーム専門会社や工務店
・ホームセンターや大型電器店のリフォームサービス
・電気工事会社や水道設備工事会社
などがあります。
費用対効果の高いリフォームをしてくれる業者を選ぶのはもちろん。
悪徳リフォーム業者でないか見極めることも非常に重要です。
リフォーム業者選びのポイントは
・複数社から見積もりを取る
・HPやネット上の口コミをチェックする
ことです。
同じリフォーム工事でも、業者によって工事費用は様々。
複数社から見積もりを取ることで、リフォーム工事費の値下げ交渉の材料にもなります。
またリフォームには工事の正確さだけでなく、近隣への説明やトラブル対応まできめ細かな対応が必要です。
依頼するリフォーム業者には、高い信頼性を求める必要があります。
一番のおすすめは、賃貸管理会社と提携しているリフォーム会社に依頼することです。
賃貸管理会社と連携しているリフォーム会社や工務店には、一定の実績と信頼があります。
リフォーム工事への要求やトラブル対応も、賃貸管理会社を通して伝えられるため安心です。
(株)アブレイズパートナーズでは、グループ会社(株)RENOLAZE(リノレイズ)が賃貸アパートのオーダーリフォーム・リノベーション事業を手がけています。
リフォーム・リノベーションをお考えの場合は、ぜひ一度お問い合わせください。
賃貸アパートのリフォーム好事例3選
賃貸ワンルームマンション・アパートのリフォーム好事例をご紹介します。
いずれも築30年前後とは思えない、新築のようなリフォーム仕上がり。
また入居者ターゲットを想定した、こだわりの内装や設備も注目ポイントです。
1.アイランドキッチンや独立洗面台で女性に人気のリフォーム事例
築37年のマンションを、広々17帖の1LDKにリフォームした事例。
こだわりは、コンパクトながら最新のアイランドキッチン。
独立洗面台などの仕様にもこだわり、高級分譲マンションのような雰囲気に。
水回り設備にこだわったことで、女性に人気の物件に仕上がりました。
2.こだわり内装でターゲットを絞ったリフォーム事例
オールステンレスのキッチンや、梁に施したコンクリート風のアクセントクロスなど。
無骨な男前・塩系インテリアを意識したリフォーム事例です。
インテリアの好みや暮らし方など、ターゲット属性を絞ることで、入居率を高める効果があります。
3.1LDK→カウンターキッチンの広々ワンルームにリフォーム事例
カウンターキッチンをリビングに設置し、新たにウォークインクローゼットを設けるなど、トレンドの間取りに変更したリフォーム事例。
キッチン、洗面所、風呂など水回りを含め大幅に間取り変更を施しているため、リフォーム費用は880万円と高め。
しかし人気の間取りは家賃が高めでも入居率がぐっと上がるため、リフォームの費用対効果は高くなります。
リフォームは入居者任せ!トレンドの「 DIY型賃貸借 」もおすすめ
賃貸アパートを思い切って色々リフォームしたいが、資金がない…
そんなオーナー様には、経営する賃貸アパートを「借主負担DIY型賃貸借契約」にするのもおすすめです。
DIY型賃貸借とは、2014年に国土交通省から発表された比較的新しい賃貸住宅の契約形態。
一般的な賃貸アパートには原状回復義務があるため、入居者が室内をリフォームすることは不可能でした。
【関連記事】賃貸オーナーが知っておきたい原状回復のガイドラインや費用負担ルール
しかしDIY型賃貸借の賃貸アパートは、
・入居者が自己負担で室内リフォームできる
・入居者が自己負担でおこなったリフォーム箇所は、原則として、退去時の原状回復義務がない
という特徴があります。
入居者としては、
〇賃貸でも自分の好きなようにリフォームできる
〇原状回復義務がない
〇家賃が相場より安い
というメリットがあります。
オーナー様としては、
〇原則として、物件の原状回復やリフォームをしなくて良い(入居者によるリフォームに一任できる)
〇入居者が物件に愛着を持つため、長期入居が見込める
〇DIYブームで人気が高く、入居率が高くなる
といったメリットがあります。
ただしDIY型賃貸借契約をするには、
・入居者にどこまでリフォームを許容するか
・入居者がリフォームした部分の所有権
・原状回復義務が生じるケース
などについて細かく定め、入居者の同意を得ておく必要があります。
またオーナー様が原状回復やリフォームをしない代わりに、家賃は安めに設定しておく必要があるのもポイントです。
しかし昨今のDIYブームもあいまって、DIY型賃貸借物件は大変人気が高くなっています。
国土交通省もDIY型賃貸借を推進していて、ガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」もある程。
「賃貸アパートをリフォームしたいけれど資金がない」という悩みも、DIY型賃貸借なら解決できるばかりか、古くて悩んでいた空室の人気が上がる可能性もあります。
まとめ
賃貸物件のリフォームやリノベーションは、非常に効果的で抜本的な空室対策です。
しかしリフォームが大規模になればなるほど、費用が高額になるのも事実。
リフォーム資金に不安がある場合は、
・少額リフォームをポイントで行う
・DIY型賃貸借契約にする
といった方法で、限られた予算でも効果の高いリフォームを行うことが可能です。
またリフォーム費用の経費計上は「修繕費」と「減価償却費」の2種類があるため、確定申告などの際に注意しましょう。
費用対効果の高いリフォームで、将来性と持続性のある賃貸経営を目指しましょう。