~巨大再開発が描く「未来の首都」の姿を読み解く~
2020年代の東京は、これまでの都市史の中でも特筆すべき「大再編」の真っただ中にある。 単なる建物の建て替えではなく、都市の役割・人の動き・国際競争力・環境との共生といった、都市の根幹に関わるテーマを掲げた再開発が同時多発的に進行している点が特徴だ。
本コラムでは、現在進む再開発の中でも特に影響力の大きい4つのエリア―― 東京駅周辺、渋谷、虎ノ門・麻布台、品川――に焦点を当て、それぞれが描く未来像をわかりやすく紐解いていく。
1. 東京駅周辺 ― 日本の玄関口が「目的地」へ進化する
東京駅周辺では、2つの巨大プロジェクトが都市の姿を大きく変えつつある。
◆ TOKYO TORCH(常盤橋エリア)
2027年度竣工予定のTorch Tower(高さ約390m)は、完成すれば日本一の超高層ビルとなる。 オフィス・商業施設・ホテル・展望施設が一体となり、東京の新たなランドマークとして機能する。
すでに2021年には「常盤橋タワー」が開業し、エリア全体の回遊性が向上。 大手町・丸の内・八重洲・日本橋といったビジネス中枢をつなぐ“国際ビジネス交流拠点”としての役割が強まっている。
◆ TOFROM YAESU(八重洲一丁目東地区)
2025年竣工予定のTOFROM YAESU TOWER(高さ約250m)の地下には、国内最大級のバスターミナルが整備される。 これにより、これまで駅周辺に分散していた高速バス乗り場が集約され、新幹線・在来線・バスの乗り換えが劇的にスムーズになる。
さらに、オフィス・医療施設・劇場などが入る複合都市空間が誕生し、東京駅は「通過点」から「滞在する目的地」へと進化する。
2. 渋谷 ― 若者文化の街から“歩きやすい未来都市”へ
渋谷もまた、100年に一度と言われる再開発の最終段階に入っている。 そのテーマは明確で、「歩行者中心の街」への転換だ。
◆ 複雑な地形と鉄道を克服する都市設計
渋谷駅は谷地形と複数路線が交差する構造から、長年「移動しにくい駅」とされてきた。 これを解決するために、東西をつなぐ自由通路の拡張や、立体的な歩行者動線「アーバン・コア」の整備が進む。
地上・地下・駅構内がスムーズにつながることで、渋谷全体が一つの巨大なネットワークとして機能するようになる。
◆ 渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(2031年度完成予定)
東棟に続き、中央棟・西棟が完成すると、首都圏最大級の商業施設が誕生する。 銀座線ホーム上空には空中回廊「スカイウェイ」が設置され、未来的な都市景観が広がる。
2034年度には駅全体の整備が完了し、渋谷は文化発信力と交通利便性を兼ね備えた“世界でも類を見ない都市”へと変貌する。

3. 虎ノ門・麻布台 ― 緑と国際性が融合する新しい都心像
2023年に開業した麻布台ヒルズは、東京の再開発の中でも特に象徴的な存在だ。
◆ 「Modern Urban Village」という新概念
開発区域は約8.1ヘクタール。 中心には約6,000㎡の広大な中央広場が広がり、敷地全体が緑に包まれている。
コンセプトは 「緑に包まれ、人と人をつなぐ広場のような街」 という、従来の都心開発とは一線を画すものだ。
◆ 森JPタワー(高さ約330m)
日本一の高さを誇る超高層ビルとして、国際的なラグジュアリーホテル「アマン」のレジデンスや、オフィス、商業施設が入居。 低層部にはインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン・東京」が移転し、国際色豊かな生活環境が整う。
◆ 文化・アートの発信拠点としても成長
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」も併設され、文化的魅力も兼ね備えた都市空間となっている。
30年にわたる地権者との対話を経て実現したこのプロジェクトは、 “都心におけるグローバルスタンダードな生活環境” を体現するモデルケースと言える。
4. 品川 ― リニア時代の国際交流拠点へ
品川は、リニア中央新幹線の始発駅となることで、日本の大動脈に新たな変革をもたらす。
◆ 品川駅西口地区の再開発
かつて「シナガワグース」があった広大な敷地に、2029年開業予定の高さ約155mの複合ビルが建設される。 オフィス・商業施設・ホテル・MICE施設が一体となり、国際会議にも対応する都市機能が整う。
◆ 駅と街をつなぐ大胆なインフラ整備
国道15号の上空に巨大な歩行者デッキを整備し、駅と西口エリアを直接接続。 これにより、これまで道路によって分断されていた街が一体化し、安全で快適な歩行者空間が生まれる。
さらに、京急品川駅の地平化工事も進み、JRとの乗り換え利便性が向上。 羽田空港へのアクセスの良さとリニア開業が相まって、品川は国内外から人が集まる国際交流拠点としての重要性を高めていく。

5. 東京再開発が示す共通テーマ
4つのエリアはそれぞれ異なる個性を持ちながら、共通する目標を掲げている。
- 国際競争力の強化 → ビジネス・観光・文化の発信力を高め、世界都市としての地位を確立。
- 防災機能の向上 → 大規模災害に備えたインフラ整備や、広場・緑地の確保。
- 環境への配慮 → 緑化・省エネ・サステナブルな都市設計。
- 歩行者中心の快適な空間づくり → 車中心から人中心へ。都市の質を高める取り組み。
これらのプロジェクトが完成したとき、東京はビジネス・文化・生活のあらゆる面で、より魅力的で活力ある都市へと進化しているだろう。

6. おわりに ― 変わりゆく東京は、未来の私たちの姿を映す鏡
今、私たちは歴史的な都市変革のただ中にいる。 東京の街並みは、単に新しいビルが建ち、古い建物が姿を消していくという表層的な変化にとどまらない。 そこには、グローバル化・デジタル化・人口構造の変化といった社会全体の大きな潮流が反映されている。 働く場所と住む場所の境界が曖昧になり、オンラインとリアルが融合する生活様式が広がる中で、都市はその変化を受け止め、次の時代にふさわしい形へと進化しようとしている。 日々変わりゆく東京の姿は、私たち自身の価値観やライフスタイルの変容を映し出す巨大な鏡のような存在になりつつある。
10年後、20年後の東京はどんな姿になっているのか。 その答えは、未来を予測するというよりも、すでに動き始めている都市再編の中に見え隠れしている。 国際競争力を高めるためのビジネス拠点の整備、環境と共生するための緑地の拡大、歩行者中心の都市設計、そして多様な文化が交差する場づくり。 これらのプロジェクトは、単なる都市開発ではなく、未来の東京がどのような価値を大切にし、どのような社会を目指すのかという“意思”の表れでもある。 私たちがこれから暮らす都市の姿は、すでに現在進行形で描かれ始めているのだ。
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