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【相続放棄したら不動産はどうなる? 国庫帰属の仕組みと注意点】アパート経営・マンション経営の知識

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2025.05.08
  • 相続・税金

はじめに
相続が発生すると、法定相続人は不動産を含む遺産を受け継ぐかどうか選択することになります。しかし、相続することが負担になるケースも多く、その場合に選択肢となるのが「相続放棄」です。特に不動産に関しては、維持管理や税金の問題などが絡むため、相続放棄を検討する人も少なくありません。

 

では、相続放棄をすると不動産はどうなるのでしょうか?相続人全員が相続放棄をすると、財産は最終的に国庫に帰属する可能性があります。本記事では、相続放棄後の不動産の扱いや、国庫帰属の仕組み、注意すべきポイントについて詳しく解説します。

相続放棄とは?

相続放棄とは、法定相続人が被相続人(亡くなった方)の財産や負債を一切受け継がないことを決定する法的な手続き です。これにより、相続人は「最初から相続人ではなかったもの」とみなされ、財産の分配や債務の支払い義務から解放されます。相続は、財産を受け継ぐだけでなく、負債をも引き継ぐため、遺産の中に 多額の借金や管理が困難な不動産 が含まれている場合、相続放棄をすることでこうしたリスクを回避できます。ただし、相続放棄は 家庭裁判所への申し立てが必要 であり、単なる口頭の意思表示では成立しません。

 

【相続放棄の主な理由と具体的な事例】
相続放棄を選択する理由はさまざまですが、代表的なケースを詳しく説明します。

1ー①. 相続財産に負債(借金)が含まれている
相続財産には現金や不動産だけでなく、被相続人が残した借金やローン も含まれます。例えば、亡くなった人に多額の金融機関からの借入金や事業の負債がある場合、相続するとそれらの支払い義務を負うことになります。相続人が知らないうちに、相続したことで借金を背負うことがあるため、負債状況を確認せずに相続を進めるのは危険です。このような場合には、相続放棄をすることで借金の支払い義務を回避することができます。

 

1ー②.不動産の維持管理が困難
不動産を相続すると、固定資産税や維持管理費がかかるため、その管理が負担になる場合があります。特に、以下のようなケースでは相続放棄が選択されることがあります。
・老朽化した空き家の管理が難しく、修繕費が膨らむ
・土地を活用する予定がないが、維持費や税金が発生する
・遠方にある不動産で管理が困難(現地訪問が難しく、売却も難しい)
相続すると、これらの不動産の管理責任を負うことになります。そのため、相続放棄をすることで、維持費や管理義務を回避できます。

 

1ー③.相続人間のトラブルを避けたい
相続財産には預貯金、不動産、株式などさまざまな資産が含まれますが、それらを巡って相続人同士でトラブルが発生することがあります。
例えば、
◎遺産の分割割合に不満を持つ相続人同士の対立や争い
◎遺言の内容に対する解釈の違いによる紛争
◎共有財産をどのように処分するか決められず、話し合いが長引く
こうしたトラブルに巻き込まれたくない場合、相続放棄をすることで財産の分割協議から完全に離れることができます。

 

1ー④.固定資産税などの支払いが負担
不動産を相続すると、毎年固定資産税を支払う義務が発生します。特に、収益を生まない不動産や利用予定のない土地を相続すると、税金の負担だけが増えることになります。
例えば、
●山林や田畑 など、使う予定のない土地でも固定資産税がかかる
●収益を生まない空き家 を維持するだけで税負担が続く
●相続した土地を売却できない ため、税負担だけ残る
このようなケースでは、相続放棄を選択することで、税負担から解放されることができます。

 

1ー⑤.遠方の不動産で利用の予定がない
相続財産の中に遠方の不動産が含まれている場合、その管理が困難なため 相続放棄をするケース があります。
例えば、
△被相続人が地方に所有していた土地や住宅を相続したが、自分は都市部に住んでおり利用予定がない
△相続した物件の売却を考えているが、買い手が見つからない
△修繕や管理の手間がかかるため、負担を背負いたくない
このような場合、相続すると 維持費や売却交渉の負担が続くため、相続放棄を選択することがあります。

 

相続放棄の注意点!
単純に「相続放棄をすれば全て解決する」というわけではなく、いくつかの注意点があります。
✔ 次順位の相続人に負担が移る
自分が相続放棄をすると、次順位の相続人(親族)が財産を相続することになります。その結果、親族に負担が生じるため、事前に話し合っておくことが重要です。
✔ 相続放棄の期限は「相続開始を知った日から3か月以内」
家庭裁判所への申述は期限内に行わなければならず、期間を過ぎると相続放棄ができなくなります。
✔ 相続財産管理人が選定されるまで、管理責任が問われることがある
相続放棄をしても、不動産や財産の処理が完了するまでは、相続人が一時的な管理責任を問われることがあります。

相続放棄後の不動産の行方

相続放棄をすると、相続人はその財産に関する一切の権利と義務を放棄することになります。しかし、不動産は勝手に消滅するわけではなく、法的な仕組みに従って所有権が移動します。相続人の放棄状況に応じて、不動産の処理の流れが異なるため、それぞれのケースについて詳しく解説します。

 

2ー①. 次順位の相続人が相続する
相続人が相続放棄をすると、次の順位の相続人へ財産を引き継ぐ権利が移ります。これは 民法の法定相続順位 に従って決定されます。

法定相続順位:
◎第一順位:子(および代襲相続人)
被相続人の子が相続権を持つ。
子がすでに亡くなっている場合、代襲相続により孫が相続する。
◎第二順位:直系尊属(父母・祖父母)
第一順位の相続人全員が放棄すると、親や祖父母が相続する。
複数の祖父母がいる場合は、均等に財産を分割する。
◎第三順位:兄弟姉妹(および代襲相続人)
第二順位の相続人も放棄した場合、被相続人の兄弟姉妹が相続する。
兄弟姉妹が亡くなっている場合、甥や姪が代襲相続する。

 

具体的な例
例えば、被相続人に子がいるが、その子供全員が相続放棄した場合、次の順位である 親(父母) に相続権が移ります。さらに親も相続放棄すると、被相続人の 兄弟姉妹 に相続権が移ります。このように、相続放棄が発生するごとに、次順位の相続人が財産を継承する ことになります。ただし、次順位の相続人が財産を引き継ぐことを知らない場合や、継承を希望しない場合、全員が相続放棄を選択する可能性があります。この場合、不動産の行方はさらに特殊な処理が必要になります。

 

2ー②. 相続人が全員放棄した場合
相続人全員が相続放棄すると、不動産の管理をする人がいなくなります。
このような場合、財産は「相続財産管理人」によって管理・処理されることになります。

 

相続財産管理人の選定
相続財産管理人は 家庭裁判所が選任する財産整理のための管理者 です。
選定の流れは以下のとおりです:
●利害関係者(債権者や自治体)が家庭裁判所に申し立てる
相続人がいないと、財産の管理や負債の清算ができなくなるため、関係者が申し立てを行う。
●家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任する
裁判所が法律の専門家(弁護士・司法書士など)を選び、財産の管理を任せる。

●相続財産管理人が不動産を整理・処分し、必要な費用を確保する
不動産が市場価値を持つ場合は売却され、代金が債務の支払いや財産整理に充てられる。
売却が困難な場合は、自治体や関係機関への譲渡が検討される。
●債務がある場合は、財産から清算される
もし財産に負債がある場合、売却などを通じて債務を返済する。残余財産があれば、最終的に国庫へ帰属する。

国庫帰属について

相続人全員が相続放棄を行った場合、不動産を含む相続財産は所有者不在となり、最終的に国庫へ帰属する可能性があります。ただし、国庫帰属は即座に行われるものではなく、一定の法的手続きが必要となります。この流れを詳しく説明します。

 

まず、全ての相続人が相続放棄をすると、不動産の所有権を持つ者がいなくなります。この場合、利害関係者(主に債権者や地方自治体など)の申し立てにより、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任し、不動産の管理および処理を行う役割を担います。相続財産管理人は、財産の調査・管理を実施し、債務の清算や不動産の処分を進めます。相続財産管理人が選任された後、まず財産の売却を試みます。市場価値のある不動産であれば、売却され、その代金は債務の支払いに充てられます。しかし、売却が難しい場合や買い手がつかない場合、不動産の譲渡が検討されます。譲渡先としては、地方自治体や公益法人が候補となり、公共利用のために活用される可能性があります。

 

売却や譲渡の試みがすべて失敗した場合、最終的に財産は国庫に帰属することになります。この際、相続財産管理人が財務省へ申請し、財務省の審査を経て帰属が承認されます。財産の状態、価値、管理状況が適正であるかどうかが審査基準となります。承認されると、不動産は正式に国の所有となり、国有財産として管理されることになります。国庫帰属後、財産の管理は国の担当部署に引き継がれます。土地や建物は、公共利用される場合もありますが、不要な財産として処分されることもあります。国は競売や自治体への再譲渡を検討し、活用可能な資産として市場へ戻す場合もあります。

 

この一連の流れにおいて注意が必要なのは、国庫帰属までの過程に時間がかかる点です。相続放棄をしたからといって、すぐに国が財産を引き取るわけではなく、相続財産管理人が長期間にわたり財産の処理を進める場合があります。また、管理の過程で費用が発生するため、財産の処分がスムーズに進まない場合、管理費用の捻出が問題になることもあります。相続放棄を考える際には、不動産の処理に関する流れを事前に理解し、法的手続きがどのように進むのか把握しておくことが重要です。専門家(弁護士・司法書士など)と相談しながら進めることで、適切な対策を取ることができ、不要な負担を回避することにつながります。相続放棄をする場合は、財産が国庫帰属するまでの管理期間や処理方法を考慮した上で、慎重に決断することが望ましいでしょう。

まとめ

相続放棄は、法定相続人が財産と負債を一切引き継がないための法的手続きです。特に不動産については、維持管理や税負担の問題があるため、放棄を選択するケースが少なくありません。しかし、相続放棄をした後の不動産の行方は、相続順位や法的手続きによって決まるため、慎重な判断が求められます。相続放棄をすると、次順位の相続人へ財産が継承されます。第一順位の相続人(子)が放棄すると、直系尊属(父母・祖父母)が相続し、それらも放棄すれば兄弟姉妹に相続権が移ります。しかし、全員が相続放棄すると不動産の所有者がいなくなり、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任し、不動産を管理・処分することになります。

 

相続財産管理人は、財産の整理、債務の清算、売却または譲渡の試みを行います。市場価値のある不動産は売却され、代金は債務返済に充てられます。また、自治体や公益法人への譲渡が検討される場合もあります。もし売却や譲渡が困難な場合、最終的に財産は「国庫帰属」となり、国が管理を引き継ぐことになります。ただし、国庫帰属がすぐに行われるわけではなく、財務省の審査を経て承認される必要があります。また、相続財産管理人の処理には時間がかかるため、財産が長期間管理される可能性があり、その間の維持費や管理責任についても考慮する必要があります。

 

相続放棄を検討する際には、財産の行方や次順位の相続人の影響を理解し、家族や専門家と十分な相談を行うことが重要です。不動産の維持・処分の問題を避けるためには、相続発生時に速やかに状況を把握し、最適な対応を取ることが求められます。慎重な判断と事前の準備をすることで、円滑な相続手続きを進めることができるでしょう。

 

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