必見!アパート経営の税金対策と節税事例集|賃貸アパート経営・マンション経営の知識
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- 相続・税金
はじめに
アパート経営は、安定した家賃収入と将来的な資産形成が期待できる魅力的な投資です。しかし、それに伴い発生する税金について理解し、適切な対策を講じなければ、せっかくの利益が目減りしてしまう可能性があります。
本コラムでは、アパート経営における税金の種類から、具体的な節税対策、さらには実際の節税事例まで、不動産オーナーの皆様が知っておくべき情報を分かりやすく解説します。
アパート経営でかかる税金の種類
まず、アパート経営で直面する可能性のある主な税金の種類を確認しておきましょう。
1. 不動産取得税
不動産を取得した際に一度だけかかる地方税です。土地と建物の双方に課税されます。税額は固定資産税評価額を基に計算されますが、一定の要件を満たすことで軽減措置が適用される場合があります。
2. 登録免許税
不動産の所有権移転登記や抵当権設定登記などを行う際に課される国税です。こちらも不動産取得時や、金融機関から融資を受ける際に発生します。
3. 固定資産税・都市計画税
毎年1月1日時点の不動産所有者に対して課される地方税です。固定資産税は市町村が、都市計画税は市街化区域内の土地・建物に課税されます。これらの税金は、アパートを所有している限り毎年支払い続ける必要があります。
4. 所得税・住民税
アパート経営による家賃収入から必要経費を差し引いた不動産所得に対して課される国税(所得税)と地方税(住民税)です。個人の所得に応じて税率が変動する累進課税制度が採用されています。最も影響が大きい税金と言えるでしょう。
5. 相続税・贈与税
アパートを家族に相続または贈与する際に発生する国税です。相続時精算課税制度などの特例を活用することで、税負担を軽減できる可能性があります。
アパート経営における主な節税対策
アパート経営における税金は多岐にわたりますが、適切な知識と対策によってその負担を軽減することができます。ここでは、特に所得税・住民税の節税に焦点を当て、具体的な対策をご紹介します。
1. 必要経費を漏れなく計上する
所得税・住民税は、収入から必要経費を差し引いた所得に対して課税されます。したがって、事業に関わる費用を漏れなく経費として計上することが最も基本的な節税対策です。
主な経費として計上できるものには以下のようなものがあります。
・減価償却費: 建物や設備は時間の経過とともに価値が減少します。この減少分を費用として計上するのが減価償却費です。現金支出を伴わない経費ですが、大きな節税効果が期待できます。建物の構造や用途によって耐用年数が異なり、それに応じて償却費も変わります。
・修繕費: 入居者が退去した際の原状回復費用、設備の修理費用、外壁塗装費用など、アパートの維持管理にかかる費用は修繕費として計上できます。ただし、建物の価値を高めるような大規模な改良工事は「資本的支出」とみなされ、減価償却の対象となる場合があります。
・管理委託費用: 不動産管理会社にアパートの管理を委託している場合、その費用は経費となります。
・ローン金利: アパート購入のために借り入れたローンの金利部分も経費として計上できます。元本部分は経費になりません。
・固定資産税・都市計画税: 毎年支払うこれらの税金も経費です。
・損害保険料: 火災保険や地震保険などの保険料も経費となります。
・交通費、通信費: アパート経営に関わる交通費(現地視察など)や通信費(入居者募集のための広告費、電話代など)も経費計上できます。
・消耗品費: 事務用品や清掃用品など、アパートの管理に必要な消耗品の費用です。
・税理士報酬: 税務申告を税理士に依頼した場合の報酬も経費となります。
ポイント: 領収書や帳簿をきちんと保管し、何が経費として認められるかを正確に把握しておくことが重要です。不明な点があれば税理士に相談しましょう。
2. 青色申告の承認を受ける
個人事業主であるアパートオーナーは、確定申告の方法として「白色申告」と「青色申告」のいずれかを選択できます。青色申告は、白色申告に比べて複雑な帳簿付けが必要ですが、その分大きな節税メリットがあります。
主な青色申告のメリットは以下の通りです。
・青色申告特別控除: 複式簿記による帳簿付けを行うことで、最高65万円(e-Taxによる申告または優良な電子帳簿の保存の場合は最大65万円、それ以外は55万円、簡易な簿記の場合は10万円)の所得控除が受けられます。
・損失の繰越控除: アパート経営が赤字になった場合、その損失を翌年以降3年間繰り越して、将来の所得から差し引くことができます。これにより、黒字になった年の税負担を軽減できます。
・専従者給与: 生計を一つにする配偶者や親族を従業員として雇用し、一定の要件を満たすことで支払った給与を全額経費として計上できます。これにより、所得分散による節税効果が期待できます。
青色申告の承認を受けるには、事業を開始した日またはその年の1月15日までに税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
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3. 消費税の免税事業者を選択する(特定期間売上が1000万円以下の場合)
消費税は、課税売上が1000万円を超える事業者に対して課税されます。アパート経営における家賃収入は原則として非課税ですが、以下のような収入は課税売上となります。
・駐車場収入(建物の賃貸とは別に駐車場を貸している場合)
・事務所、店舗などの事業用物件の賃料
・礼金、更新料、敷金(返還されない部分)など
もし課税売上が年間1000万円以下であれば、消費税の免税事業者となることができます。免税事業者であれば、消費税の申告・納税が不要となり、事務負担も軽減されます。
ただし、建物購入時の消費税還付を受けるためには、あえて課税事業者を選択する戦略もあります。これは複雑な判断が必要となるため、専門家への相談が不可欠です。
4. 小規模企業共済に加入する
小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の役員が加入できる退職金制度のようなものです。支払った掛金は全額所得控除の対象となり、所得税・住民税の節税になります。将来の生活資金形成と節税を両立できる魅力的な制度です。
5. iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する
iDeCoは、自分で掛金を運用し、将来年金として受け取る私的年金制度です。支払った掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税で再投資されます。老後資金の形成と節税を同時に実現できます。
6. 家族に資産を贈与する(相続税対策も兼ねる)
アパートなどの不動産を家族に生前贈与することで、将来の相続税を軽減できる場合があります。贈与税には年間110万円までの基礎控除があり、この範囲内であれば非課税で贈与できます。また、相続時精算課税制度を利用すれば、2500万円まで贈与税が非課税となり、贈与者の死亡時に相続財産に加算して相続税を計算する制度です。
これらの対策は相続税対策としての側面が強いですが、将来的な税負担を見据えた長期的な視点での節税策と言えます。
7. 不動産管理会社を設立する(法人化)
アパート経営の規模が拡大し、所得が増えてきた場合、法人化を検討するのも有効な節税策です。個人事業主の場合、所得税の最高税率は45%ですが、法人の場合は法人税の実効税率は23%程度(所得規模による)であり、税率の差を利用して節税効果が期待できます。
法人化のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
・所得の分散: 法人から役員報酬として所得を受け取ることで、所得を分散させ、個人の所得税率を抑えることができます。
・経費計上範囲の拡大: 個人事業主では経費として認められにくい社宅費用や生命保険料などが、法人では経費として認められる場合があります。
・相続対策: 自社株の評価を下げることで、相続税対策にもつながります。
ただし、法人設立には設立費用や維持コストがかかるほか、社会保険への加入義務など、個人事業主とは異なるデメリットもあります。法人化を検討する際は、専門家と十分に相談し、メリット・デメリットを慎重に比較検討することが重要です。
具体的な節税事例集
ここからは、実際にどのような形で節税対策が行われているのか、具体的な事例をいくつかご紹介します。
事例1:減価償却と修繕費を計画的に計上し、初年度の所得を圧縮
Aさんは、築年数が経過した木造アパートを購入しました。購入初年度は、建物価格に対して残存耐用年数で減価償却費を計上し、さらに購入直後に必要となった老朽化した設備の交換費用や内装リフォーム費用を修繕費として計上しました。
これにより、家賃収入から多額の減価償却費と修繕費を差し引くことができ、購入初年度の不動産所得を大幅に圧縮することに成功しました。結果として、初年度の所得税・住民税の負担を大きく軽減できました。
ポイント: 築年数が経過した物件は、残存耐用年数が短いため減価償却費を短期間で多く計上できるメリットがあります。また、購入直後の大規模修繕は、計画的に行えば節税効果を高められます。
事例2:青色申告と専従者給与で所得分散を図る
Bさんは、アパート数棟を所有する不動産オーナーです。毎年、所得税の最高税率に近い税金を納めていました。そこで、税理士に相談し、青色申告に切り替えました。さらに、アパートの管理業務の一部を妻に手伝ってもらい、税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出した上で、妻に適切な金額の給与を支払うことにしました。
これにより、Bさんの所得の一部が妻の所得に分散され、世帯全体での所得税・住民税の合計額が大きく減少しました。また、青色申告特別控除65万円も活用し、さらなる節税効果を得ています。
ポイント: 青色申告は、ただ提出するだけでなく、税制上の優遇措置を最大限に活用することが重要です。特に、家族経営の場合は、専従者給与の活用が有効です。
事例3:法人化による税率メリットと経費計上範囲の拡大
Cさんは、複数のアパートを所有し、年間数千万円の家賃収入を得ていました。個人の所得税率が非常に高くなってきたため、思い切って不動産管理会社を設立し、アパートを法人へ移転しました。
法人化後は、アパートからの収益は法人の収入となり、役員報酬としてCさんに支払われる形になりました。これにより、個人の所得税率を抑えつつ、法人税率の恩恵を受けられるようになりました。また、法人名義で社宅を借り上げ、役員であるCさんがそこに住むことで、家賃の一部を経費として計上できるなど、経費計上の幅が広がり、さらに節税効果を高めています。
ポイント: 法人化は、アパート経営の規模がある程度大きくなった場合に検討すべき選択肢です。税理士と綿密なシミュレーションを行い、費用対効果を慎重に判断することが成功の鍵です。
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避けるべき節税対策と注意点
節税対策は重要ですが、中には誤った情報や、税法に抵触する可能性のある危険な方法も存在します。以下に、避けるべき節税対策と注意点をご紹介します。
1. 架空経費の計上
存在しない費用をあたかも支払ったかのように装う「架空経費」の計上は、脱税行為にあたります。税務調査で発覚した場合、重加算税などのペナルティが課され、社会的信用も失墜します。必ず実際に発生した費用のみを計上しましょう。
2. 私的費用の混同
アパート経営とは関係のない個人的な支出を、事業の経費として計上することも不適切です。例えば、個人的な旅行費用や趣味の費用などを経費に含めることはできません。公私混同は避け、明確に区分けして管理しましょう。
3. 過度な修繕費計上による資本的支出の誤認
修繕費として計上できるのは、建物の現状維持や原状回復のための費用です。建物の価値を高めたり、耐久性を増したりするような大規模な改修は「資本的支出」とみなされ、減価償却の対象となります。誤って修繕費として計上してしまうと、税務調査で指摘される可能性があります。判断に迷う場合は、専門家のアドバイスを受けましょう。
4. 無計画な相続対策
相続税対策として生前贈与を検討する場合でも、年間110万円の基礎控除を超える贈与には贈与税がかかります。また、相続時精算課税制度もメリットとデメリットを理解した上で利用しないと、かえって税負担が増える可能性もあります。専門家と相談せず、安易な対策を行うのは避けましょう。
5. 税制改正情報の把握
税制は毎年改正される可能性があります。例えば、減価償却の計算方法や各種控除額、特例の要件などが変更されることがあります。常に最新の税制情報を把握し、自身の経営に影響がないか確認することが重要です。
専門家との連携の重要性
アパート経営の税金対策は多岐にわたり、税法も複雑です。特に規模が大きくなったり、複数の物件を所有するようになったりすると、個人で全てを把握し、適切に処理するのは非常に困難になります。
そこで、税理士や不動産コンサルタントといった専門家との連携が非常に重要になります。
・税理士: 確定申告書の作成、税務相談、節税対策の提案、税務調査対応など、税金に関するあらゆる面でサポートしてくれます。特に青色申告や法人化を検討する際には、その専門知識が不可欠です。
・不動産コンサルタント: 不動産の購入から運用、売却まで、トータルでアドバイスを提供してくれます。物件選定や収益改善、そして税金対策も含めた総合的な視点でのサポートが期待できます。
専門家は、個々の状況に合わせた最適な節税対策を提案し、税務上のリスクを最小限に抑えながら、オーナーの利益を最大化するための強力なパートナーとなってくれるでしょう。
まとめ
アパート経営における税金は、その種類も多く、理解が難しいと感じるかもしれません。しかし、適切な知識と計画的な対策を行うことで、税負担を軽減し、より効率的なアパート経営を実現することが可能です。
本コラムでご紹介した「必要経費の漏れなき計上」「青色申告の活用」「法人化の検討」などは、特に重要な節税対策です。しかし、最も重要なのは、これらの対策をご自身の状況に合わせて適切に選択し、実行することです。
もし、今お読みいただいているあなたが、アパート経営の税金について漠然とした不安を抱えていたり、もっと効果的な節税方法を知りたいとお考えでしたら、ぜひ一度、税理士や不動産コンサルタントといった専門家にご相談ください。
プロの視点から、あなたのアパート経営に最適な税金対策をアドバイスし、将来にわたる安定した資産形成をサポートしてくれるはずです。
アパート経営は長期的な視点での事業です。税金対策も、目先の利益だけでなく、将来を見据えた計画的な取り組みが成功の鍵となります。賢く税金と向き合い、豊かなアパート経営を実現しましょう。
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