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サラリーマンのアパート経営

給与以外の収入を考え始めた会社員の方へ

サラリーマンのアパート経営は、毎月の家賃収入を得ながら、長期的に不動産という資産を形成できる方法の一つです。
金融機関の融資を利用して始められる可能性があり、本業を続けながら賃貸経営に取り組める点にも魅力があります。
一方で、購入すれば自動的に利益が残るわけではありません。
空室、家賃下落、修繕、金利上昇、税金を含めた収支を読み、購入後も数字を見ながら経営する必要があります。
アパート経営を検討するサラリーマンの方に向けて、収益の仕組み、節税の考え方、失敗を避けるための判断軸、
管理会社へ相談するメリットを整理します。

STRUCTURE

サラリーマンが取り組む
アパート経営の仕組み

アパート経営の利益は、家賃収入からローン返済と運営費を差し引いた手残りで考えます。
入居者、オーナー様、管理会社の役割を分けると、本業との両立もしやすくなります。

入居者様

毎月の家賃を支払う

家賃、共益費、更新料などが、賃貸経営の主な収入になります。

オーナー様

収支と方針を決める

返済、管理費、修繕費、税金を支払い、募集条件や修繕計画を判断します。

管理会社

日々の実務を支える

募集、家賃回収、問い合わせ、更新、退去、原状回復などを代行します。

表面利回りより
手元に残るお金を見てください

物件広告に記載された利回りは、満室想定の年間家賃を購入価格で割った数字であることが一般的です。実際には、空室期間、管理費、修繕費、固定資産税、保険料、ローン返済などが発生します。
購入判断では、現実的な入居率を置いた年間収支と、突発的な支出が出ても返済を続けられる資金余力を確認してください。本業の給与で赤字を補えるかではなく、物件単体で安定して経営できるかを見ることが大切です。

失敗しないために
押さえたい3つの判断軸

  • 01

    空室と修繕を含む
    収支で判断する

    家賃は常に満額入るとは限りません。入退去の空室期間、募集時の広告費、原状回復、設備交換、固定資産税、火災保険料、管理費まで含めて年間収支を作ることが大切です。表面利回りが高く見える物件でも、実際には修繕や空室で手残りが小さくなることがあります。家賃を下げた場合、金利が上がった場合、まとまった修繕が必要になった場合を複数パターンで試算しましょう。さらに、空室が長引いた月も返済資金を確保できるか、将来の大規模修繕に備えた積立ができるかまで確認すると、購入後の資金繰りを現実的に判断できます。購入前の段階で月別の入出金表を作り、給与から補填する月がどの程度あるかを把握しておくと、無理のある借入を避けやすくなります。

  • 02

    本業と両立できる
    管理体制を作る

    アパート経営では、夜間の設備トラブル、滞納、近隣対応、退去精算、入居者募集などが継続的に発生します。会社員の方がすべてを自分で行うと、本業中に連絡が入ったり、休日が対応で埋まったりして、長く続けにくくなる可能性があります。管理会社へ任せる範囲、報告頻度、修繕を実施する際の見積もり・承認ルールを事前に決めておきましょう。特に、緊急時の一次対応、滞納時の督促、募集条件の見直しを誰が判断するかを明確にすると、本業と両立しながら安定した運営を続けやすくなります。毎月の収支報告や募集状況を確認する日を決めておけば、忙しい時期でも経営状況を見落としにくくなります。相談先を一本化しておくと、判断の遅れも防ぎやすくなります。

  • 03

    家賃収入と売却を
    一つの計画にする

    保有中のインカムゲインだけでなく、将来の売却まで含めて考えることが重要です。キャピタルゲインはサラリーマンの資産形成にとって魅力的ですが、地価、建物状態、入居率、賃料水準、ローン残債、売却費用、税金によって最終的な利益は大きく変わります。購入時から「いつ、誰に、どの状態で売るか」を想定し、保有中も入居率や修繕履歴を整えましょう。満室に近い状態、適正な賃料設定、管理履歴の分かりやすさは買い手の評価にもつながるため、毎月の収入と出口戦略を一つの計画として管理することが大切です。周辺相場や金融機関の融資姿勢が変わると売却価格も動くため、定期的に査定や市況を確認しておくと判断が遅れにくくなります。売却益だけに頼らず、保有中の収支も同時に見ておきましょう。

SIMULATION

アパート経営の収益イメージ

家賃月額7万5,000円・8戸のアパートを想定した試算例です。
物件価格、借入条件、地域、築年数によって結果は変わるため、実際の判断には個別の収支計算が必要です。

項目 年間の試算 計算・確認の考え方
満室想定家賃 720万円 7万5,000円 × 8戸 × 12か月。表面利回りの基礎になる数字です。
実効家賃収入 約662万円 入居率92%として試算。空室期間や家賃下落を反映します。
運営費 約150万円 管理、修繕、固定資産税、保険、共用部費用などの概算です。
ローン返済 約384万円 借入条件により変動します。元金部分は必要経費ではありません。
税引前手残り 約128万円 実効家賃収入から運営費とローン返済を差し引いた概算です。

年間128万円は月平均約10万7,000円ですが、設備交換や退去が重なる年には手残りが減ります。
上記は収益を保証するものではありません。

TAX

サラリーマンのアパート経営と節税

不動産所得は、家賃などの総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
節税効果だけを目的にせず、現金収支と課税所得を分けて理解することが重要です。

区分 主な例 注意点
必要経費になり得るもの 固定資産税、損害保険料、管理委託費、募集費、修繕費、減価償却費、借入金利息、専門家報酬など。 不動産収入を得るために直接必要で、事業との関係を説明できる範囲に限られます。
必要経費にならないもの 所得税・住民税、ローン返済の元金、事業に関係しない私的支出、罰金など。 支払ったお金のすべてが経費になるわけではありません。

POINT 01

減価償却

建物と設備の取得費を使用期間に応じて経費化する

土地は減価償却できませんが、建物や付属設備は耐用年数に応じて減価償却します。減価償却費は支出を伴わない年にも計上されるため、現金の手残りと課税所得に差が生まれます。中古物件では築年数や構造により耐用年数が変わるため、購入前に内訳を確認してください。

POINT 02

修繕費と資本的支出

原状回復か、価値向上かで処理が変わる

通常の維持管理や原状回復のための支出は修繕費となる一方、使用可能期間を延ばしたり価値を高めたりする支出は、資本的支出として複数年にわたり減価償却する場合があります。工事名だけで判断せず、内容と目的が分かる見積書・写真を保管しましょう。

POINT 03

家事按分

私用と共通する支出は事業分を明確に区分する

通信費、自動車関連費、自宅の一部を事務作業に使う場合の費用などは、業務に必要な部分を明確に区分できるとき、その部分を必要経費にできる場合があります。面積、使用時間、走行距離など、第三者へ説明できる合理的な基準と記録が必要です。

POINT 04

青色申告

規模と記帳方法によって受けられる控除が変わる

不動産貸付けが事業的規模かどうか、正規の簿記による記帳やe-Taxなどの要件を満たすかにより、青色申告特別控除の扱いが変わります。事業的規模は実態で判断されますが、アパート等ではおおむね10室以上が形式基準の目安の一つです。

POINT 05

損益通算と記録

赤字なら必ず給与と相殺できるわけではない

不動産所得に損失が生じた場合、給与所得などと損益通算できることがあります。ただし、土地取得に対応する借入金利息など対象外となる損失もあります。架空経費や私的支出の計上は認められません。領収書、契約書、送金明細、修繕記録を整理し、税理士へ確認してください。

経費、減価償却、修繕費、家事按分、青色申告については、「サラリーマン必見!不動産投資の経費の裏ワザはある?」でも詳しく解説しています。
税務上の取扱いは個別の状況で変わります。
参考:国税庁「不動産収入を受け取ったとき」国税庁「事業としての不動産貸付けとの区分」

INCOME & CAPITAL

家賃収入とキャピタルゲイン

アパート経営では、保有中の家賃収入と売却時の利益を分けて考えます。
どちらか一方に期待を寄せすぎず、購入から売却までの総収支で判断してください。

比較項目 インカムゲイン キャピタルゲイン
収益の源泉 家賃や更新料など、物件を保有している間に継続して得る収入です。毎月の返済や管理費を差し引いた後の手残りが重要です。 売却価格が取得費や売却費用などを上回ったときに生じる利益です。購入時より高く売れる可能性がある一方、市況の影響を受けます。
重視する数字 入居率、実効賃料、運営費、返済額、税引後キャッシュフローを確認します。表面利回りより、実際に残る金額を重視します。 地価、収益性、建物状態、残債、取得費、売却費用を確認します。売却後にローンを完済して資金が残るかが判断材料です。
主なリスク 空室、家賃下落、滞納、修繕、金利上昇により、想定より手残りが減ることです。短期の収支悪化に備えた資金も必要です。 市況や物件状態により希望価格で売れず、売却損が生じることです。売却時期を選べないと価格交渉で不利になる場合があります。
計画のポイント 収支を安定させ、入居者に選ばれる状態を保つことです。募集条件や修繕計画を見直しながら、稼働率を維持します。 買い手が評価する入居率、賃料、管理履歴を整えることです。売却前だけでなく、保有中から出口戦略を意識します。

土地・建物の売却益は給与所得などと分けて計算され、売却年の1月1日時点の所有期間が5年を超えるかどうかで長期・短期の区分が変わります。
減価償却により建物の取得費が下がる点も含め、売却前に税理士などの専門家へ確認してください。
参考:国税庁「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」

CHECK

購入前に確認したいこと

物件価格や利回りだけでは、アパート経営の安全性は判断できません。
次の6点を整理すると、物件と資金計画を具体的に検討できます。

  • 賃貸需要

    駅距離、人口、競合、間取り別の成約賃料と空室期間。

  • 資金計画

    自己資金、金利、返済期間、諸費用、金利上昇時の返済額。

  • 修繕計画

    屋根・外壁・給排水・設備の履歴と今後必要な費用。

  • 手元資金

    空室や突発修繕が重なっても返済を続けられる予備資金。

  • 管理体制

    募集、家賃回収、トラブル対応、報告、修繕承認の流れ。

  • 出口戦略

    想定保有期間、残債、売却対象、売却費用、譲渡所得税。

アパート経営を始める流れ

本業がある方ほど、購入前の準備と購入後の管理体制が重要です。
目的から逆算して物件を選び、複数の条件で収支を検証してから進めましょう。

  • Flow01

    目的と投資可能額を整理

    給与以外の収入を増やしたいのか、老後資金を作りたいのか、将来の売却益まで狙うのかを整理します。そのうえで、自己資金、毎月の余力、突発的な支出に備える予備資金を確認します。

  • Flow02

    エリアと賃貸需要を調査

    人口動態、交通利便性、周辺施設、競合物件、成約賃料、平均的な募集期間を確認します。単身向け、ファミリー向けなど、エリアで選ばれやすい間取りも見ておきます。

  • Flow03

    収支と融資条件を検証

    満室時だけでなく、空室、修繕、税金、管理費、金利上昇を含めて試算します。返済後に資金が残るか、数か月の空室や設備交換が重なっても耐えられるかを確認します。

  • Flow04

    管理方針と出口を決める

    管理会社へ委託する範囲、修繕承認の金額基準、報告方法を決めます。あわせて想定保有期間、将来の買い手、売却時に評価される状態を考えておきます。

  • Flow05

    購入後も数字を定期確認

    購入後も入居率、募集期間、滞納状況、修繕履歴、周辺賃料を定期的に確認します。数字の変化を早めに把握し、設備改善、賃料調整、売却判断につなげます。

FAQ

サラリーマンのアパート経営に関する
よくある質問

Q

サラリーマンがアパート経営を始める前に、まず何を確認すべきですか?

Q

自己資金はどのくらい用意しておくべきですか?

Q

物件は利回りだけで選んでも問題ありませんか?

Q

本業が忙しくてもアパート経営を続けられますか?

Q

アパート経営は節税目的で始めてもよいですか?

Q

購入前から管理会社へ相談するメリットは何ですか?

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