民泊投資は儲かる?基本的な仕組みとメリット・デメリットを徹底解説|賃貸アパート・賃貸マンション経営の知識
investment

- 不動産投資
目次
はじめに:なぜ今、民泊投資が注目されるのか
円安を背景としたインバウンド観光客の急増や、国内旅行のスタイルの多様化を追い風に、不動産投資の新たな選択肢として「民泊投資」が大きな注目を集めています。従来の賃貸経営とは一線を画す収益性の高さに魅力を感じる一方、「本当に儲かるのか?」「何から始めれば良いのか分からない」といった不安や疑問を抱く方も少なくないでしょう。
空き家や所有する不動産の新たな活用法を模索するオーナー様にとって、民泊投資は確かに大きな可能性を秘めています。しかし、その一方で法規制や運営の手間、収益の変動リスクなど、事前に理解しておくべき課題も存在します。安易な参入は思わぬ失敗を招きかねません。
本コラムでは、民泊投資を検討しているオーナー様に向けて、その基本的な仕組みから、具体的な始め方、そして成功の鍵を握るメリット・デメリットまで、網羅的に解説します。民泊投資の全体像を深く理解し、ご自身の資産形成における有効な一手となるかを見極めるための一助となれば幸いです。
第1章:民泊投資の基本的な仕組み
民泊投資と一言で言っても、その運営形態や法的な位置づけは様々です。まずは基本となる仕組みを正しく理解することから始めましょう。
1. 民泊とは?3つの法制度を理解する
日本で民泊を運営するには、主に以下の3つの法律のいずれかに基づいて許可や届出を行う必要があります。それぞれに営業日数や申請のハードルが異なるため、どの形態を目指すのかが最初の重要な分岐点となります。

(1) 住宅宿泊事業法(民泊新法) 最も手軽に始められるのがこの形態です。既存の住宅を活用することを想定しており、手続きは「届出」で済みます。しかし、最大の制約は年間営業日数が180日以内に制限される点です。このため、フル稼働での収益化は難しく、空き家の有効活用や副業的な位置づけで検討されることが多いのが実情です。
(2) 旅館業法(簡易宿所営業) 年間営業日数の制限がなく、本格的な宿泊事業として運営できるのが旅館業法に基づく民泊です。収益性を追求するならこの形態が最適ですが、その分、保健所の「許可」が必要となり、用途地域の確認や消防設備の設置など、クリアすべきハードルが高くなります。
(3) 国家戦略特別区域法(特区民泊) 国が指定した国家戦略特区内でのみ認められている形態です。旅館業法の特例として位置づけられ、年間営業日数の制限がありません。ただし、「2泊3日以上の滞在」といった最低宿泊日数の要件が課される場合があるなど、自治体ごとのルールを遵守する必要があります。
2. 民泊投資の始め方(6つのステップ)
民泊事業を開始するまでの大まかな流れは以下の通りです。
STEP1:物件の選定・取得
購入か賃貸か:自己所有物件がなければ、購入または賃貸(サブリース)で物件を確保します。賃貸の場合は「転貸可」の物件であること、マンションの場合は管理規約で民泊が禁止されていないかの確認が必須です。
STEP2:事業計画の策定
収支シミュレーション:初期費用やランニングコストを算出し、どれくらいの売上が見込めるかをシミュレーションします。この段階で事業の採算性を厳しく評価することが成功の鍵です(詳細は後述)。
STEP3:各種許可・届出の手続き
前述の3つの法制度のうち、どの形態で運営するかに応じて、管轄の自治体や保健所に申請・届出を行います。消防署への相談や消防法令適合通知書の取得も必要です。
STEP4:物件のセットアップ
内装・リフォーム:ターゲットとする客層(ファミリー、カップル、ビジネス客など)に合わせて、魅力的で快適な空間を作ります。
家具・家電・備品の準備:ベッド、ソファ、テーブルといった家具から、テレビ、冷蔵庫、Wi-Fiルーター、調理器具、アメニティまで、宿泊に必要なものを一式揃えます。
STEP5:集客
OTAへの登録:Airbnb、Booking.com、Agodaといったオンライン旅行会社(OTA)に物件情報を登録するのが一般的です。魅力的な写真と多言語に対応した紹介文が予約率を大きく左右します。
STEP6:運営開始
予約管理、ゲストとのコミュニケーション、鍵の受け渡し、清掃、トラブル対応など、日々の運営業務が始まります。
3. 運営形態は「自主運営」か「運営代行」か
民泊の運営方法は、大きく分けて「自主運営」と「運営代行会社への委託」の2つがあります。
- 自主運営:全ての運営業務を自分で行うスタイルです。コストを抑えられるのが最大のメリットですが、ゲスト対応や清掃に多くの時間と労力がかかります。特に、多言語でのコミュニケーションや24時間体制でのトラブル対応は大きな負担となり得ます。
- 運営代行:集客、予約管理、ゲスト対応、清掃手配など、煩雑な運営業務の全てまたは一部を専門の会社に委託するスタイルです。手数料(売上の15%〜30%程度が相場)が発生しますが、オーナーは運営の手間から解放され、本業に集中したり、複数の物件を効率的に運営したりすることが可能になります。
どちらの形態が適しているかは、オーナー様の状況(物件との距離、かけられる時間、語学力など)によって異なります。
こちらの記事も読まれています!
第2章:民泊投資の4つのメリット
民泊投資が多くの人を惹きつける理由は、主に以下の4つのメリットに集約されます。
1. 賃貸経営を上回る高い収益性
最大の魅力は、高い利回りが期待できる点です。一般的な賃貸物件の場合、利回りは3%〜5%程度が平均的ですが、民泊は立地や運営次第で実質利回り10%以上を狙うことも可能です。
例えば、家賃15万円で貸し出せる物件があるとします。年間収益は180万円です。 一方、同じ物件を民泊として1泊2万円で運営し、稼働率が70%だと仮定します。
- 旅館業法(営業日数制限なし)の場合:
- 民泊新法(180日ルール)の場合:
もちろん、ここから清掃費やOTA手数料、水道光熱費などの経費が引かれますが、賃貸経営を大きく上回る売上が見込めるポテンシャルがあることは明らかです。特に、観光シーズンやイベント時には宿泊単価を柔軟に引き上げる「ダイナミックプライシング」が可能であり、収益を最大化しやすいビジネスモデルと言えます。
2. 不動産の有効活用
所有しているが使っていない空き家、別荘、あるいは自宅の使っていない部屋などを収益化できる点も大きなメリットです。固定資産税だけがかかっていた「負債」が、インカムゲインを生み出す「資産」に変わります。また、将来的に自己利用や売却を考えている物件でも、それまでの期間を民泊として活用することで、資産価値を維持しながら収益を得ることが可能です。
3. インフレ対策としての有効性
民泊投資は、不動産という「実物資産」への投資です。インフレによって現金の価値が目減りしても、不動産の価値は比較的維持されやすいという特徴があります。さらに、宿泊料金は経済状況に応じて柔軟に見直すことができるため、物価上昇分を価格に転嫁しやすく、インフレヘッジとしての機能も期待できます。
4. 国際交流や地域貢献の機会
副次的なメリットとして、ゲストとの交流を通じた国際交流の機会や、地域の活性化に貢献できるという側面もあります。ゲストに地元の名店や観光スポットを紹介することで、地域経済にお金が循環し、宿泊施設のオーナーという立場を超えたやりがいを感じることもできるでしょう。
第3章:知っておくべき民泊投資の4つのデメリットとリスク
高いリターンが期待できる一方で、民泊投資には特有のデメリットやリスクも存在します。これらを軽視すると、事業の失敗に直結するため、必ず事前に把握しておきましょう。
1. 複雑な法規制と条例の壁
最も注意すべきリスクが法規制です。特に民泊新法の年間180日ルールは、収益の上限を大きく左右します。さらに、法律とは別に、**自治体が独自に厳しい「上乗せ条例」**を定めているケースも少なくありません。
- 例)
- 京都市:家主居住型を除き、1月中旬〜3月中旬の約60日間は営業禁止
- 東京都新宿区:住居専用地域では、平日(月曜正午〜金曜正午)の営業禁止
- 東京都渋谷区:住居専用地域では、4月〜10月のうち特定の期間のみ営業可
これらの条例は、民泊の収益性に直接的な影響を与えます。物件を検討する際は、必ずその地域の条例を確認し、現実的な営業日数を把握した上で収支シミュレーションを行う必要があります。
2. 収益の不安定さ
民泊の収益は、観光需要に大きく依存します。季節による繁閑差はもちろん、国内外の経済情勢、為替の変動、自然災害、そして新たな感染症の発生など、外部要因によって稼働率が大きく変動するリスクを常に抱えています。また、周辺に競合となるホテルや民泊施設が増えれば、価格競争に巻き込まれ、収益性が低下する可能性もあります。
3. 運営にかかる手間とコスト
自主運営の場合、その負担は想像以上に大きいものがあります。
- 24時間対応のゲストコミュニケーション:チェックイン方法の案内、周辺情報に関する質問、設備トラブルへの対応など、深夜早朝を問わず連絡が入る可能性があります。
- 頻繁な清掃とリネン交換:ゲストがチェックアウトするたびに、部屋全体の清掃、シーツやタオルの交換が必要です。これを毎回自分で行うか、清掃業者に依頼するかの判断が求められます。
- 消耗品の補充や施設の維持管理:シャンプーやトイレットペーパーなどの補充、設備の故障対応、定期的なメンテナンスも欠かせません。
これらの業務を運営代行会社に委託すれば手間は省けますが、売上の15%〜30%の手数料に加え、実費としての清掃費などがランニングコストとして発生します。
4. 近隣住民とのトラブル
民泊運営で最も避けたいのが、近隣住民とのトラブルです。
- 騒音問題:夜間の話し声やスーツケースを引く音
- ゴミ出し問題:分別ルールを守らない、指定日以外にゴミを出す
- マナー違反:共用部での喫煙や迷惑行為
これらのトラブルは、クレームや管理組合との関係悪化につながり、最悪の場合、民泊運営の継続が困難になるケースもあります。事前の挨拶回りや、多言語でのハウスルールの徹底など、トラブルを未然に防ぐための配慮が不可欠です。
こちらの記事も読まれています!
第4章:「儲かる民泊」を実現するための物件選びと運営戦略
メリットとデメリットを理解した上で、民泊投資で成功を収めるためには、何が重要なのでしょうか。ここでは、「儲かる民泊」を実現するための具体的なポイントを解説します。
1. 成功を左右する「立地」と「物件の魅力」
民泊の収益は、9割が立地で決まると言っても過言ではありません。以下のポイントを総合的に評価し、物件を選定しましょう。
- 交通の便:主要な駅から徒歩10分以内が理想。空港からのアクセスも重要。
- 観光地へのアクセス:人気の観光スポットやイベント会場に近いほど、高い稼働率と宿泊単価が期待できます。
- 周辺環境:コンビニ、スーパー、レストラン、ドラッグストアなどが近くにあると、ゲストの満足度が向上します。
- 物件の個性:単に寝るだけの場所ではなく、「泊まること自体が目的になる」ような魅力ある物件は、競合との差別化につながります。
- 例:眺望が良い、デザイン性が高い、和室があって日本文化を体験できる、大人数で泊まれる一棟貸しなど
2. 必須の「収支シミュレーション」
感覚だけで「儲かりそう」と判断するのは非常に危険です。必ず詳細な収支シミュレーションを行い、事業の実現可能性を数値で確認しましょう。
- 【初期費用】
- 物件取得費(購入の場合)または初期賃料(賃貸の場合)
- 仲介手数料、登記費用など
- リフォーム・内装工事費
- 家具・家電・備品購入費
- 許可・届出申請費用
- 消防設備設置費用
- 【売上予測】
- ※単価と稼働率は、周辺の競合物件の価格やOTAの市場データを参考に、繁忙期・閑散期を考慮して現実的な数値を設定する。
- 【ランニングコスト(経費)】
- 家賃・管理費(賃貸の場合)
- 水道光熱費、通信費(Wi-Fiなど)
- 清掃費、リネン代
- 消耗品費(アメニティなど)
- OTA手数料(宿泊料の3%〜15%程度)
- 運営代行手数料(売上の15%〜30%程度)
- 固定資産税・都市計画税(所有の場合)
- 火災保険料
- 修繕積立金
これらの数値を元に、**「年間利益 = 年間売上 – 年間ランニングコスト」**を算出し、初期費用を何年で回収できるか(投資回収期間)を把握することが重要です。
3. 予約率を高める運営戦略
良い物件を用意しても、その魅力がゲストに伝わらなければ予約にはつながりません。
- 魅力的なリスティング作成:プロのカメラマンに依頼した質の高い写真、ゲストの心に響くキャッチーなタイトルと紹介文は必須です。ターゲットとする国籍の言語に対応することも重要です。
- レビュー対策:OTAではレビューの数が予約を大きく左右します。清潔さ、迅速で丁寧なコミュニケーション、ウェルカムドリンクなどのおもてなしを徹底し、高評価レビューを集めましょう。万が一ネガティブなレビューが付いた場合も、誠実に対応することが信頼につながります。
- 柔軟な価格設定:年間を通じて同じ価格にするのではなく、需要に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングを導入しましょう。専用のツールを使ったり、運営代行会社に任せたりすることで、収益の最大化が図れます。
まとめ:民泊投資は「事業経営」。入念な準備と戦略が成功の鍵
民泊投資は、インバウンド需要の追い風を受け、従来の不動産投資にはない高い収益性を実現できる大きな可能性を秘めています。空き家問題を解決する一手としても、社会的な意義を持つ投資と言えるでしょう。
しかし、本稿で詳述した通り、その裏には複雑な法規制、収益の変動リスク、そして煩雑な運営業務といった現実が存在します。単なる「不労所得」という甘い幻想を抱いて参入すれば、失敗は免れません。
民泊投資で成功するために最も重要なのは、**「これは不動産賃貸業ではなく、サービス業を含む事業経営である」**という認識を持つことです。立地や物件の選定から、法令遵守、綿密な収支計画、そしてゲストに最高の体験を提供するという「おもてなし」の視点まで、全てが成功に不可欠な要素となります。
メリットとデメリットを深く理解し、あらゆるリスクを想定した上で、しっかりとした事業計画を立てる。その上で、自主運営か運営代行か、ご自身の状況に最適な運営スタイルを選択する。この入念な準備と戦略こそが、「儲かる民泊オーナー」への唯一の道です。本コラムが、その第一歩を踏み出すための確かな羅針盤となることを願っています。
★★★当社の特徴★★★
弊社は、業界の常識を覆す【月額管理料無料】というサービスで、オーナー様の利回り向上を実現する不動産管理会社です。空室が長引いて困っている・・・月々のランニングコストを抑えたい…現状の管理会社に不満がある…などなど、様々なお悩みを当社が解決いたします!
家賃査定や募集業務はもちろん、入居中のクレーム対応・更新業務・原状回復工事なども、全て無料で当社にお任せいただけます。些細なことでも構いませんので、ご不明な点やご質問などございましたら、下記ご連絡先まで、お気軽にお問い合わせください!
【お電話でのお問い合わせはこちら】
03-6262-9556
【ホームページからのお問い合わせはこちら】
管理のご相談等、その他お問い合わせもこちらです♪
【公式LINEからのお問い合わせはこちら】
お友達登録後、LINEでお問い合わせ可能です♪